研究課題/領域番号 |
15H02652
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
辻 瑞樹 琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)
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研究分担者 |
松浦 健二 京都大学, 農学研究科, 教授 (40379821)
秋野 順治 京都工芸繊維大学, 昆虫先端研究推進センター生物資源フィールド科学研究部門, 教授 (40414875)
立田 晴記 琉球大学, 農学部, 教授 (50370268)
土畑 重人 京都大学, 農学研究科, 助教 (50714995)
菊地 友則 千葉大学, 海洋バイオシステム研究センター, 准教授 (80608547)
五箇 公一 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 室長 (90300847)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 外来生物 / アリ / 生物学的侵略 / 生態 / 環境 / 社会性昆虫 / 生物多様性 |
研究実績の概要 |
生物学的侵略機構の研究には自然分布域と侵入域の比較が不可欠である。アリは侵略種化したときの環境被害が極めて大きい。日本ではあまり知られていないが、近年北米で日本由来の複数の外来アリ種による環境被害が広がっている。しかし皮肉にもこれは日本の研究者にとって居ながらにして侵略アリの自然個体群情報を収集できる絶好の機会である。そこで、本研究では侵略的外来昆虫研究の日米のエキスパートが協力し、これら日本からの侵入者の生態・行動・遺伝情報を侵入先と自然分布域である日本国内で徹底比較する。さらに広大な国土を持つ米国で日本では不可能な野外実験を行う。既存の諸学説を整理しながら網羅的にテストすることで外来アリの侵略機構に関する一般論を導く。以上の目的で研究を始めたが、初年度冒頭に代表者の不測の病気が発覚し、大規模調査や体系的データ収集法の確立に向けた全体会議が実施できなかった。そこで、2年度目である28年度は遅れを取り戻すべく以下を行った。7月に外国人研究者Clint Penick博士(ノースカロライナ州立大ポスドク) を招聘し、代表者・分担者全員と日米統一的サンプリング法について京都と沖縄でのフィールドでの実践をもとに討議した。これによりウメマツアリ以外の3種ではサンプリング法が確立できた。テキサスのフィールドに2度、研究代表者が研究室の学生らとともに訪問し 、Ed VargoテキサスA & M大教授の協力でヒアリのフィールド実験のプロットを設置。データ収集を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は研究代表者の発病と治療のため、代表研究者自身による出張調査および国外共同研究者との詳細な討議ができなかったが、28年度は外国人を招聘すりとともにフィールド調査にとくに力をいれ、遅れを概ね取り戻すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在は概ね計画通りの進捗状況になった。今後は日米それぞれで具体的データを収集蓄積してゆく。野外実験に関する全体会議を行うため、Ed Vargo教授を招聘する予定である。サンプリングに難があるウメマツアリについてはさらに工夫し方法論の検討を進める。
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