研究課題
ベトナム中部の大学病院であるフエ医科薬科大学のメンバーとの共同研究を2本実施した。帝王切開術創部妊娠は、流産処置を実施すると、大量出血となるハイリスクの妊娠のひとつである。ベトナムにおいても、先進国と同様に、胎児の安全性確保から帝王切開術率が高くなっていることに伴い、合併症が問題となっている。日本においては帝王切開術創部妊娠の治療戦略は、放射線科などと協力し、 Interventional Radiologyを用いた集学的管理が主流となりつつあるが、医療経済的には課題である。ベトナム中部のような医療資源の限られた地域においては、安全性だけでなく、コストの低減も考慮した管理法の確立が必要である。フエ医科薬科大学における、絨毛性疾患の治療に用いるメソトレキセートをエコーガイド下に局所投与する治療法を実施し、治療効果のあった群となかった群で、種々の因子を比較検討した。その結果、診断時のβHCG値高値や、超音波検査所見で、外方発育型の胎嚢所見などが有意に治療効果不良のリスク因子として同定された。これらの結果についてまとめた論文が雑誌に受理された。2本目の研究は、胎児発育不全の超音波所見による重症度の評価法の検討である。従来より胎児心機能評価として、MPI(myocardial performance index)の有効性の報告が散見されていたが、NICUなど資源が限定的である地域でも有用かどうかは不明であった。今回の検討により、とくに妊娠後半期に発症する胎児発育不全で心機能低下が認められることがわかり、出生後の管理に有用である可能性が示唆された。現在論文投稿中である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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