| 研究課題/領域番号 |
15H02668
|
|---|
| 研究機関 | 京都大学 |
|---|
研究代表者 |
永原 正章 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90362582)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
| キーワード | スパース最適制御 / スパースモデリング / 省エネルギー |
|---|
| 研究実績の概要 |
省エネルギーのためのスパース最適制御理論の構築に対する研究に関して，スパース最適制御とL1最適制御の等価性を証明し，その有効性を示した論文を学術論文誌IEEE Transactions on Automatic Controlに発表し，また関連して，スパース最適制御の値関数の連続性を証明した論文を学術論文誌Automaticaに発表した．その他，スパース最適化を拡張した絶対値和最適化を提案し，離散信号復元問題を解く効率的な方法を開発（IEEE Signal Processing Lettersで発表），繰り返し制御系への応用（Automaticaで発表），次世代無線通信システムにおける中継システムの省エネルギー化（SICE Journal of Control, Measurement, and System Integrationで発表）など，学術論文５件，査読付き国際会議論文６件，招待講演５件の成果を得た．
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画であった「非線形系へのスパース最適制御の拡張」に関しては，最小原理に基づいた解析によりスパース最適制御とL1最適制御との関係について理論的に証明し，さらにモデル予測制御への拡張を提案できた．また，もう一つの計画である「スパース最適制御のための高速アルゴリズムの開発」に関しては，ADMM (Alternating Direction Method of Multipliers9 の手法を応用した高速計算法を提案し，その有効性を検証した．
さらに計画より進んで，スパース性の概念を拡張した絶対値和最適化を提案し，離散信号復元問題の効率的な解法を提案した．
以上の成果より，本研究は当初の計画以上に進展しているといえる．
|
| 今後の研究の推進方策 |
前年度で得られた絶対値和最適化を制御問題に応用し，離散値制御の計算の効率化をはかるとともに，その理論的な性質（最適解の存在性や一意性，モデル予測制御に拡張した時の安定性など）について深く調べる．
|
