研究課題
昨年度までの成果を元に、実用化に必要な性能面での圧縮アルゴリズムの特性分析と、アルゴリズムへの改良を試行することに注力した。とくに、ソフトウェアでの実効スピードと圧縮率にフォーカスすると改善点がいまだあり、変換テーブルを分割するBank Select方式による高速化と、圧縮率をフィードバックすることでデータのエントロピーに応じた動的最適化、という新しい手法を試行した。Bank Select方式によるソフトウェアでの圧縮・解凍の高速化では、シンボル変換テーブルを、入力されるデータストリームをハッシングし、複数に分割されたシンボル変換テーブルに配分することで、マッチするシンボルの検索回数を削減し、高速化を図った。この高速化技法はストリームデータ圧縮に有効であり、ハードウェア化も可能であることが確認できた。この成果は、国際会議DCC2019とICCS2019で発表予定である。Bank Select方式はソフトウェアでの高速化に有効な手段であることは確認できたが、データのエントロピーが低い、すなわち、データに含まれるシンボルパターンの個数が少ない場合、ハッシングによって、あるシンボル変換テーブルに偏ることが判明している。しかし、あるバンクに傾向してデータストリームが集中すると、圧縮率が著しく低下することが確認された。このような状況を動的に改善するために、圧縮率を、圧縮器にフィードバックすることで、ハッシングのアルゴリズムを変更する新しい方式を試行した。この手法は国内特許出願を行った。以上の研究成果に加え、国内の大きな展示会である、Interop、Enbedded Technologyに出展することで、アウトリーチ活動も行った。さらに、ストリームデータ圧縮技術を大学発ベンチャーから社会実装している努力を評価され、JST大学発ベンチャー表彰を受賞した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of ICCS 2019, LNCS, Springer
巻: 1 ページ: 1-7