研究課題/領域番号 |
15H02678
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
合志 清一 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (40500335)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 8K / 4K / 超解像 / リアルタイム処理 / 非線形信号処理 |
研究実績の概要 |
本研究成果として論文2編(査読有)、国際会議発表6件(全て査読有)を行った。論文は 申請計画を前倒しして平成28年度中にハイビジョン・8K変換装置を完成させた。今後、措置の調整と最終画質確認を行い、論文として投稿予定である。 本研究は平成30年度が最終年度であり、平成31年度から製品化の検討を行う予定だった。しかし、計画を前倒しし、すでに製品化のフェーズに入っている。2020年の東京オリンピックに先立つ、2018年の平昌オリンピックで、韓国国営放送KBSが本装置機能の一部を用いてハイビジョン・4K変換を行う予定である。中国のパネルメーカーも本研究には注目しており、実用化は複数の分野に及ぶものと考えている。残念ながら、国内テレビメーカーやパネルメーカーは保守的であり、本研究成果を実装するよう勧めてはいるが、保守的な態度を続けている。社内で類似技術を開発しており、その社内グループとの軋轢から実用化には至らなかった。しかし、今後も国内企業へは接触を続ける予定である。 国内でテレビへの実装はできなかったが、平成28年度にスマートフォンへの非線形超解像の実装を行い、実用化に結び付けた。携帯端末への超解像機能の実装は世界で初めてである。超解像実装スマートフォンを用いた動画像による主観評価実験も実施し、市販スマートフォンのなかで、最高の画質となることを定量的に示した。今後、超解像機能を医療等の他分野へ応用する研究も視野に入れている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画より進んでいる理由はアルゴリズムの簡単さによる。簡単なアルゴリズムなので、シミュレーションも短時間で終わり、ハードウエア実装も短期間で完成可能である。4K程度の映像をリアrタイム処理する技術は成熟しつつあり、これも早期完成の一因であると間和えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度はスマートフォン用超解像の性能を向上させ、静止画にも実装予定である。静止画は動画と異なり同じ場所を何度も確認するので、高解像度化と同時に画質劣化も目立ちやすい。今年度はノイズ低減技術を開発し、スマートフォンに実装することで、静止画用超解像を実用化する予定である。 もう一つの研究テーマが、8K内視鏡への応用である。内視鏡は腹腔鏡手術に欠かせないが、ハイビジョン内視鏡や4K内視鏡では解像度が不十分である。また、8Kで撮影してもフォーカスが合わず、8K本来の能力が発揮できない。29年度はこの問題を解決するために、8K内視鏡用超解像の研究を行う予定である。
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