研究課題/領域番号 |
15H02696
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研究機関 | 情報セキュリティ大学院大学 |
研究代表者 |
後藤 厚宏 情報セキュリティ大学院大学, その他の研究科, 教授 (90558868)
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研究分担者 |
中野 美由紀 産業技術大学院大学, その他の研究科, 教授 (30227863)
新谷 隆彦 電気通信大学, その他の研究科, 准教授 (30604623)
山口 実靖 工学院大学, 工学部, 准教授 (50439262)
小口 正人 お茶の水女子大学, その他部局等, 教授 (60328036)
湯淺 墾道 情報セキュリティ大学院大学, その他の研究科, 教授 (60389400)
横山 大作 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (80345272)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ビッグデータ / プライバシー保護 / IoT |
研究実績の概要 |
本研究では、ビッグデータの流通に携わる者に全てにとって安心・安全で利用しやすいビッグデータ流通基盤の構築方式を目指し、ビッグデータ流通基盤の適応的なセキュリティ要件の伝搬と制御技術、およびビッグデータの適応的なプライバシー保護支援(匿名性制御)技術を検討し、実験システムを用いて評価することを目的とする。 この目標に向けて、(A) セキュリティアーキテクチャ技術、 (B) 並列分処理技術、 (C)ビッグデータ応用技術、さらに(D)法制度と社会規範を担当する4つの分野を担当する研究チームが相互に連携して研究を進めるている。 H27年度は、それぞれのチームが、ビッグデータ流通基盤のモデル構築とセキュリティアーキテクチャ基礎検討を行った。ガバナンスの観点からセキュリティアーキテクチャ(A)の全体像を情報処理学会誌の記事としてまとめるとともに、二次利用時の技術課題、特に、緊急災害情報を対象とした事例分析を学会研究会等にて発表した。並列分散処理技術(B)と応用技術(C)については、基盤となるHadoop Map reduceのファイルシステム、ディスクキャッシュ、 I/O関連の特性について評価し、査読付き国際会議等で発表した。法制度の課題(D)については、ビッグデータ活用と個人情報保護法改正との関係について学会にて議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、 (A) セキュリティアーキテクチャ技術、 (B) 並列分処理技術、 (C)ビッグデータ応用技術、さらに(D)法制度と社会規範の4つの研究チームを構成し、相互に連携をとりながら研究を進め、複数組織にまたがるビッグデータ流通基盤において、セキュリティ確保と高効率性を両立できる構築方式に向けた基礎検討を予定以上に進めることができた。 ビッグデータ流通基盤のモデル構築とセキュリティアーキテクチャ基礎検討を担当する(A)(B)では幅広い視点から技術課題を検討することができ、その検討状況を学会研究会などで多数発表して議論を深めることができた。H28年度に本格検討するビッグデータ応用技術(C)についても、先行して評価システムの準備を進めることができた。法制度の検討(D)においては、個人情報法保護法改正に合わせたプライバシー保護についての検討を進め、学会での発表と議論を深めることができた。 以上のように、研究の初年度の目標以上の進捗状況であり、当初計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度は、前年度の基礎検討を発展させ、複数組織にまたがる評価用ビッグデータ応用システムの構築に向けて、一次利用と二次利用間のセキュリティ制御の連携プロトコルとApache Hadoopの改善策の有効性評価等を行う。また、匿名化処理の適応的な変更方式を検討する。平行して、ライフログサービス等の応用システムを対象として、分散型評価環境の安全性評価を並列分散処理技術チームと共同で進める。 以上のように、今後も (A) セキュリティアーキテクチャ技術、 (B) 並列分処理技術、 (C)ビッグデータ応用技術、(D)法制度と社会規範の4つの研究チームが密に連携しあい、ビッグデータの流通に携わる者に全てにとって安心・安全で利用しやすいビッグデータ流通基盤の構築方式の確立を目指す
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