研究課題/領域番号 |
15H02731
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
田中 秀幸 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ロボットイノベーション研究センター, 主任研究員 (70376656)
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研究分担者 |
角 保志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ロボットイノベーション研究センター, 主任研究員 (30357305)
金 奉根 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (10415672)
松本 吉央 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ロボットイノベーション研究センター, 研究チーム長 (00314534)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 画像 / 計測工学 / 知能ロボティックス / 視覚マーカ |
研究実績の概要 |
申請者が開発した世界最高精度の視覚マーカの実用性を向上させるため、本年度は主に下記6項目の研究開発を実施した。(1)厳しい環境条件・観測条件に対するロバストなマーカ認識・計測手法の研究:照明条件の変動に対して画像処理の複数のパラメータを自動調整し、照明強度が大きく変動したり、マーカを横断する影が多少あったりするような環境下でも正しくマーカを認識・計測できるようになった。(2)計測精度の向上の研究:平面型視覚マーカの弱点である「奥行方向の位置推定精度」を改善するためのマーカ計測アルゴリズムを開発した。ここでは、マーカの4つの参照点の画像上での位置を画像補間や楕円フィッティングにより高精度に求める技術や、本マーカならではの高精度な姿勢推定値を活かし、位置(3自由度)のパラメータだけを用いて再投影誤差の最小化を行う技術により、位置推定精度の向上を実現した。(3)応用システムの開発とマーカの性能検証:複数のマーカと1台のカメラというシンプルな構成からなる「ポータブル簡易動作計測システム」を開発した。(4)アプリケーションの要求に応じた最適なマーカの設計手法の研究:移動ロボット制御等に用いるための、細長い隙間にも貼れる横長型(縦長型)マーカの開発を行った。(5)VMPの品質向上のためのマイクロレンズアレイの設計:より広い角度範囲で高いコントラストを維持するVMPの設計と開発を行った。またVMPにおける外光の反射を低減する手法を開発した。いずれも、実際に効果のあるVMPの製造に成功した。(6)改良版の高精度マーカの試作と性能検証:測位用のマーカとして、姿勢推定精度が0.1degとなるようなマーカの設計、試作および性能検証を行い、そのような超高精度マーカが作れることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実施計画の内容に沿って研究開発を進め、想定した以上の高性能なマーカ・ソフトウェアの開発を実現したため。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者および企業と連携し、研究計画に沿って、高精度視覚マーカの実用化に向けた技術課題の解決に取り組む。
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