研究課題/領域番号 |
15H02734
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
赤羽 克仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (70500007)
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研究分担者 |
佐藤 誠 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (50114872)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / ヒューマンインタフェース / ハプティックデバイス |
研究実績の概要 |
人は物体を把持するとき適切な把持力で操作する.把持力は操作物体に働き外へ現れない内力である.その内力を計測しVR世界の操作に応用できないだろうか.力覚の安定提示には装置と操作者を含めた受動粘性が重要な役割を果す.操作者の粘性は把持の状況により常に変化する.把持力から安定提示に必要な粘性を推定し,システムの状態をリアルタイムにフィードバックできれば,力覚提示装置の性能向上に大きな貢献が期待できる.本研究では,このバイオフィードバックによりワイヤ駆動型力覚提示装置の制御手法をハイブリッド化し,操作者を含めたシステムの状態に応じた最適制御を実現することを目的とする. 把持力の測定を可能にする軽量な力覚提示グリップの設計を行った.力覚提示装置の提示自由度を下げ,まず提案手法の有効性を検証するためのシステム構成の構築を試みた.特にVR世界+力覚提示装置+操作者の把持のモデル化を検討した.また,把持力の計測に遅延が大きいと操作者のバイオフィードバックの効果が得られない可能性があるので,専用の高速な計測コントローラの設計を同時に行った.専用コントローラの開発にはFPGA,NVIDIA社製GPU搭載Tegraプロセッサなどを用いこれまでの研究成果である高解像度力覚提示に関する技術を導入し制御基板の設計を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイブリッド化のための制御手法の予備的実験のため 力覚提示装置の提示自由度を低く設定し,まず提案手法の有効性を検証するシステムを実現した。 そのため、今後の研究が計画通りに進むと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
設計した把持力の測定を可能にする軽量で剛性の高い力覚提示グリップの試作および評価を行う。計測される力には把持力のほかに力覚提示装置が発生している力(提示力)も含まれるため、計測される力から把持力と提示力の分離を行う。把持力測定グリップの作成には3Dプリンタやレザー加工機を用いて作成する予定で、効率よくより良いグリップ部の作成を行う予定である。また,最大5本の指先が力覚提示グリップを把持するときの各指はグリップに対し内力である把持力をかける。力覚提示部には把持する各指の腹が接触する部分5か所に軽量な薄膜タイプの力センサを配置し各指にかかる力を測定する。そして、得られた把持力から把持の際の操作者のインピーダンスを推定し、把持力と操作者のインピーダンスの関係を求める。
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