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2016 年度 実績報告書

会話を通じた相互信頼感形成の共関心分析とコミュニケーション支援の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H02752
研究機関公立はこだて未来大学

研究代表者

片桐 恭弘  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 学長 (60374097)

研究分担者 榎本 美香  東京工科大学, メディア学部, 講師 (10454141)
石崎 雅人  東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (30303340)
角 康之  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30362578)
高梨 克也  京都大学, 情報学研究科, 研究員 (30423049)
傳 康晴  千葉大学, 文学部, 教授 (70291458)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード会話処理 / 相互信頼感 / 共関心モデル
研究実績の概要

社会生活における会話コミュニケーションは他者との情報共有, 合意形成の中核的機能を果たす. 医療・教育・ビジネスなどの現場では, 他者の合意遵守に関する信頼が重要となるため, 人々は会話インタラクションを通じて相互に相手に対する信頼感を形成し確認している. 本研究課題は, この会話の持つ相互信頼感形成の側面に着目し, 医療・ビジネス・共同体コミュニケーションの各フィールドでの会話の実証的分析に基づいてその計算モデルを構築・検証し, コミュニケーショントレーニングを対象としてコミュニケーション支援システムの基盤技術を開発することを目的としている. 平成28年度は医療・ビジネス・共同体コミュニケーションの各フィールドでの会話の分析と, 相互信頼感形成の計算モデルの開発を実施した. 会話の分析においては, 医療コミュニケーション, 共同体コミュニケーションのフィールドの会話データの収集と分析を継続して実施し, 会話内での非言語情報交換に関する分析の成果を国際会議および国内学会において発表した. さらにビジネスコミュニケーションフィールドの企業支援コンサルティング会話データを対象とした分析を継続し, 複数アノテータによる共関心談話行為付与の安定性確認を進めた. 相互信頼感形成の計算モデル開発においては, 提案者が既に提案している会話の共関心モデルを, 既存の共同行為の理論モデルと比較対比することによって発展させ, その結果を国内学会において発表した. また, 人間同士のインタラクションを通じた社会関係形成・維持に重要な機能を持つという点で信頼と近接する心的概念である共感の進化基盤の研究者を招いて, シンポジウム「インタラクションを通じた信頼感と共感」を開催し, 討論を通じた研究の深化を図ると同時に成果の公開を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

相互信頼感形成が重要な役割を果たす合意形成会話の実例として, ビジネスコミュニケーション, 医療コミュニケーション, 共同体コミュニケーションの各フィールドにおいて会話データの相互信頼感共関心モデルに基づく分析および非言語情報交換分析を実施し, それと並行して意思決定理論との対比による共関心モデルの計算モデル化に着手したという点で, おおむね順調に進展していると判断できる.

今後の研究の推進方策

平成29年度は最終年度であり, これまでの成果を踏まえて, (1)会話における相互信頼感形成の実証的分析として, 共関心談話行為アノテーションの安定性確認と非言語情報交換と共関心談話行為との相関分析, (2)関心空間共同探索としての共関心計算モデルのとりまとめ, (3) コミュニケーション支援技術への提言, (4) プロジェクト研究成果の取りまとめと今後の研究課題の洗い出しを行う.

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件、 査読あり 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 共関心擦り合わせの構造2017

    • 著者名/発表者名
      片桐恭弘
    • 雑誌名

      人工知能学会資料

      巻: SIG-SLUD-79-B506 ページ: 29-32

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 順番交替2017

    • 著者名/発表者名
      榎本美香
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 36-4 ページ: 60-69

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 専門家社会におけるコミュニケーションの位相―ADRが魅力的選択肢になることを阻害するもの―2016

    • 著者名/発表者名
      石崎雅人
    • 雑誌名

      仲裁とADR

      巻: 11 ページ: 84-92

  • [雑誌論文] 医療現場のコミュニケーション2016

    • 著者名/発表者名
      石崎雅人・村岡正朗・加藤雅江・古園純一
    • 雑誌名

      社会言語科学研究大会論文集

      巻: 39 ページ: 210-213

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 傾聴対話システムのための言語情報と韻律情報に基づく多様な形態の相槌の生成2016

    • 著者名/発表者名
      山口貴史・井上昂治・吉野幸一郎・高梨克也・Nigel G. Ward・河原達也
    • 雑誌名

      人工知能学会論文誌

      巻: 31(4)C ページ: 1-10

    • DOI

      10.1527/tjsai.C-G31

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 知能の「解明」のための方法論としてのAIと「インタラクション」というソリューション2017

    • 著者名/発表者名
      高梨克也
    • 学会等名
      第11回電子情報通信学会ヴァーバル・ノンヴァーバル研究会
    • 発表場所
      芝浦工業大学(東京都港区)
    • 年月日
      2017-03-29
  • [学会発表] オープンコミュニケーションとしてのラジオトークに見られる重複発話現象の解析2017

    • 著者名/発表者名
      荒畑翼・寺岡丈博・榎本美香
    • 学会等名
      情報処理学会 第79回全国大会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2017-03-17
  • [学会発表] 韻律情報と文節係り受け構造を用いた発話末予測モデルの構築2017

    • 著者名/発表者名
      石本祐一・寺岡丈博・榎本美香
    • 学会等名
      日本音響学会2017年春季研究発表会
    • 発表場所
      明治大学(神奈川県川崎市)
    • 年月日
      2017-03-15
  • [学会発表] 関心関心擦り合わせと信頼感形成2017

    • 著者名/発表者名
      片桐恭弘
    • 学会等名
      シンポジウム「インタラクションを通じた信頼感と共感」
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2017-03-11
  • [学会発表] 協働制作ミーティングとコンサルテーション会話における関心表明の比較2017

    • 著者名/発表者名
      高梨克也
    • 学会等名
      シンポジウム「インタラクションを通じた信頼感と共感」
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2017-03-11
  • [学会発表] コンサルテーション会話における関心すりあわせの談話行為と非言語行動2017

    • 著者名/発表者名
      榎本美香・伝康晴
    • 学会等名
      シンポジウム「インタラクションを通じた信頼と共感」
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2017-03-11
  • [学会発表] 医療コミュニケーション研究への視座2017

    • 著者名/発表者名
      石崎雅人
    • 学会等名
      人工知能学会 第79回言語・音声理解と対話処理研究会
    • 発表場所
      広島国際大学(広島県広島市)
    • 年月日
      2017-03-08 – 2017-03-09
    • 招待講演
  • [学会発表] Collective Agency in 'Ba'2016

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Katagiri
    • 学会等名
      4th International Workshop on Linguistics of 'Ba'
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2016-12-16 – 2016-12-17
    • 国際学会
  • [学会発表] 会話とその認知的・社会的環境2016

    • 著者名/発表者名
      高梨克也
    • 学会等名
      電子情報通信学会思考と言語研究会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2016-12-16
    • 招待講演
  • [学会発表] A study on prediction of end-of-utterance by prosodic features and phrase-dependency structure in spontaneous speech2016

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Ishimoto, Takehiro Teraoka, Mika Enomoto
    • 学会等名
      5th Joint Meeting of the Acoustical Society of America and the Acoustical Society of Japan
    • 発表場所
      Hawaii, USA
    • 年月日
      2016-12-02
    • 国際学会
  • [学会発表] Experimental Investigation of End-of-utterance Perception by Final Lowering in Spontaneous Japanese2016

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Ishimoto, Mika Enomoto
    • 学会等名
      Oriental COCOSDA 2016
    • 発表場所
      Bali, Indonesia
    • 年月日
      2016-10-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Examining decision-making for cancer screening: comparison between the characteristics of Japanese and US adults2016

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, R., Ishizaki, M., and Noro, I.
    • 学会等名
      Annual North American Meeting of the Society for Medical Decision Making
    • 発表場所
      Vancouver, Canada
    • 年月日
      2016-10-23 – 2016-10-26
    • 国際学会
  • [学会発表] 猿田彦の舞における舞方と奏方の即興的調整:野沢温泉燈籠祭りの事例から2016

    • 著者名/発表者名
      寺岡丈博・伝康晴・榎本美香
    • 学会等名
      日本認知科学会第33回大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-09-16
  • [学会発表] 飛び入りで協働活動に参加するー野沢温泉道祖神祭り三年間の事例よりー2016

    • 著者名/発表者名
      榎本美香・伝康晴
    • 学会等名
      日本認知科学会第33回大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-09-16
  • [図書] 基礎から分かる会話コミュニケーションの分析法2016

    • 著者名/発表者名
      高梨克也
    • 総ページ数
      161
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2018-01-16  

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