研究実績の概要 |
本研究は,生命科学で日々生産される様々な計測・観察データを,生物種,実験観察の方法論や視点,コントロール値の違いなどの壁を超えて,普遍的に取り扱うための相互利用技術の創出を目指している。先行研究で開発した,哺乳類表現型を対象とした表現型データの共有システムをさらに汎用化し,生命科学データ全般への対応を目指して,生物種や時系列データなど,さらに多様な生命計測データへの対応を可能にするためのデータの構築支援方法を確立する。 H27年度は、大規模な暗黙知識および視点管理用データの構築支援方法の確立を行うために、方法論および、テストアプリケーションの開発を行った。本アプリケーションは、既に記述された分類体系をテンプレートとした同型(相似形)のグラフ構造の自動作成を行うものである。その具体的な方法は、オントロジー記述言語である法造形式のデータを読み込み、その概念定義を参照しながら、下位概念およびインスタンスの作成を、大規模データの扱いに適した表型のインターフェースを持つエディタによって行うものである。表型にすることで、MSエクセル等のソフトウェアで作成したスプレッドシート形式のデータを取り込むことが可能になり、概念/インスタンスの一括入力が可能になるとともに、一般に公開されている科学データの取り込みを可能にする狙いがある。方法論開発にあたっては、視点(コンテキスト)に応じた科学データの概念の構造をいかに表形式に落とし込むかを検討し、表形式でのデータインポートを可能にするソフトウェア開発を、業務委託によって行った。関連して、本アプリケーションのための準備データの作成を、パートタイマー1名によって行った。 また、本研究で用いているデータ形式を、国際的なマウス表現型データ連携との調整を一部行った。
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