研究課題
シミュレーションを用いた学習は看護者または看護学生が自身の看護ケアスキルを向上させるために重要な方法論である.しかしながら,しかし,倫理的な問題から看護学生は実際の患者を相手として看護技術を学ぶことができない.このことは看護学生が多様な患者に対応する能力を獲得する大きな妨げとなっている.そこで本研究では,複数の患者の状態を再現できる,車椅子移乗スキル学習用の患者ロボットの開発を行っている.この患者ロボットは大きく分けて3つの状態を再現できる.一つ目は麻痺により身体の運動に影響が出ている状態,二つ目は身体を動かすと痛みを伴い苦痛を表現する状態,また,三つ目は医療機器を装着している状態である.これらの状態に対し,看護師は適切に車椅子移乗を行う必要がある.以上の状態を再現するために,片麻痺,および,四肢麻痺患者の体幹の動きを再現するために,新たな腰部と臀部の関節を開発した.これらにはコンプライアントジョイントを組み込み,また,力センサを搭載した.コンプライアントジョイント中のバネにより,人間の身体のコンプライアンスを再現している.ロボットの性能と訓練効果を調べるための解析と実験を行った.患者運動解析,患者運動のモデル化を行い,学習システムの制作,中間評価実験,研究成果とりまとめを行った.特に,患者運動のモデル化の過程で,患者の動きを表現できる腰部自由度解析とロボット腰部機構,制御系検討を行い,患者ロボットを実装した.患者ロボットの訓練効果を評価する実験を行った.看護大学の学生に対して,事前評価,訓練,事後評価というプロセスを2群で遂行する実験を行った.1群は提案ロボットを用いて学習した群,もう1群は対照群として健常者を患者とする訓練を行った群とした.その結果,学習効果の転移性の観点から提案手法の有効性を示した.
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)
Advanced Robotics
巻: 33 ページ: 278~292
10.1080/01691864.2019.1578689
Sensors
巻: 18 ページ: 2975~2975
10.3390/s18092975
Joint international conference of service science and innovation and serviceology (ICSSI2018 & ICServ2018)
巻: - ページ: 415-415
Digital Human Modeling. Applications in Health, Safety, Ergonomics, and Risk Management: Ergonomics and design, 9th International conference , DHM2018, Proceedings, LNCS 10917
巻: - ページ: 440-453
IEEE Transactions on Learning Technologies
巻: 10 ページ: 355~366
10.1109/TLT.2016.2599537
IEEE/ASME Transactions on Mechatronics
巻: 22 ページ: 2079~2090
10.1109/TMECH.2017.2730848
http://otalab.race.u-tokyo.ac.jp/
http://otalab.race.u-tokyo.ac.jp/en/