研究実績の概要 |
本研究課題では,聴導犬をモデルとしたロボットの開発が行っている. 我々はこれまでに聴導犬が離れたユーザに情報を伝達する方法に着目し, 聴導犬ロボットにおける探索行動の一連の流れの行動モデルを提案した.また, ユーザの探索に過去の探索結果に基づいた確率モデルを導入し, ユーザへの生活音情報の早期伝達を可能にした. しかし,人には生活リズムがある. 生活リズムとは, 朝起きて食事をし, 夜寝るまでの生活のパターンのことである. ゆえに, 人の活動場所は時刻によって, 変化するものと考えられる. 我々の過去の研究成果では, 過去に人を発見した場所にのみ注目しており, 発見時刻は考慮されていない. このため, どのような時刻においても, 効率の良い探索が行えるとは限らない.そこで,人の生活リズムを考慮した探索モデルを導入し, 従来に比べ平均的に効率の良い探索行動の実現を目指した.また,このモデルが従来に比べ 効率的な人の探索が可能なことをシミュレータの環境下で明らかにした. 人探索の効率化に加え,モバイルロボット(移動カメラ)によって人を発見・追跡するモデルについても実現を試みた.この試みでは,移動カメラ環境における物体追跡(人追跡)のための移動物体抽出を提案した.提案手法では,密なオプティカルフロー(OF)と密度推定手法を用いることで,移動カメラ環境に対応した確率的背景モデルを構築した.それによる抽出結果を物体(人)追跡に適用することで,追跡精度を向上させた.OFの角度ヒストグラムを特徴量とした機械学習によるシーン判定を行うことで,これまで追跡が不安定となっていたシーンにおいても高精度な追跡を可能とした.
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