研究課題
本年度は,騒音下で目立つ鳥・虫の鳴き声の探索を行った.昨年度までの検討から,顕著性の異なる音源を選択した.鳥の鳴き声は,カケス,カッコー,メジロ,イカル,ツツドリ,ウグイスの6種類,虫の鳴き声は,ツクツクボウシ,ミンミンゼミ,ヒグラシ,ツヅレサセコオロギ,カンタン,スズムシの6種類を用いた.背景騒音として,Hothスペクトル型ノイズ,平均的な鉄道駅構内騒音,実測データを基に作成された自動車内騒音を用いた.等音圧レベル,等ラウドネスの2条件で実験を行った.鳥の鳴き声に関しては,等音圧レベル条件では.カケス,ウグイスが多くの被験者に目立つと判断され,等ラウドネス条件では,ウグイスが多くの被験者に目立つと判断された.虫の鳴き声に関しては,等音圧レベル条件では.ツクツクボウシ,ミンミンゼミ,ヒグラシが比較的多くの被験者に目立つと判断され,等ラウドネス条件では,個人差が大きい結果となった.暗騒音の効果に関しては,等音圧レベル条件では,自動車内の顕著性が高く,等ラウドネス条件では,暗騒音の違いは少なかった.各音響特徴量と顕著性尺度値の関係に関しては,全体としては高い相関は得られなかった.音に対する親密度が顕著性に及ぼすことが示唆されたため,暗騒音条件で用いた鳥・虫の鳴き声に対する親密度を調査した結果,顕著性と類似した傾向が得られた.暗騒音なし,暗騒音ありの両条件において,鳥の鳴き声に関しては,ウグイスが比較的目立つことが分かった.虫の鳴き声に関しては,個人差が大きい結果となった.また,音に対する親密度が顕著性に及ぼす影響が大きいことを示唆する結果が得られた.個人差が大きいことから,個人の顕著性と音響特徴量の関係を調べることで,顕著性に影響を及ぼす音響特徴量を明らかになると考えられる.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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