研究課題/領域番号 |
15H02785
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
内平 直志 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (30393838)
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研究分担者 |
平石 邦彦 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40251970)
小林 孝一 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (50452115)
佐々木 康朗 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70743772)
水流 聡子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80177328)
金井 秀明 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90282920)
崔 舜星 大阪経済法科大学, 教養部, 准教授 (20631922)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 気づき / アウエアネス / 気づき組織学習 / 学習型気づき誘発 / 音声つぶやきシステム / 気づきマイキング / 患者状態適応型パスシステム / 気づきプラットフォーム |
研究実績の概要 |
最終目標である音声つぶやきによる気づきプラットフォームの実現に向けて、要素技術である1.気づき体系化,2.気づきマイニング,3.学習型気づき誘発,4.気づき組織学習,の技術開発を行い,その成果を国内外の会議で発表した. 1に関しては,横浜市の介護施設と連携し, PCAPS(患者状態適応型パスシステム)を用いて入居者の生活状態の推移をプロセスとして可視化した.また,健康状態・活動状態を見守るための要素特定につながる気づき項目候補をリストアップし,2016年12月から介護施設で適用し、その成果を国内会議で発表した.2に関しては,音声つぶやきシステムにより提供される情報から誘発される気づきが,スタッフの行動にどのような影響を与えるのかを調べるために,情報内容を制御した複数の状況を設定し,スタッフの連携作業の質を定量的に評価する実験を行った.また,実験結果を説明するための理論モデルを提案し、国内外の会議で発表した.3に関しては,音声のトーンを制御して気づきを誘発する方式の検討と実験を行った.4に関しては,介護における危険予知に関する気づきをモチーフに,スマート音声つぶやきシステムに組み込んだ気づきの共有機態により,気づき能力がどのように組織学習されるかを実験で評価し,組織学習のモデルを洗練化し、国内会議で発表した.また、気づき共有の有効性を原理的に説明するゲーム理論モデルの検討を行った。 汎化した「気づきプラットフォーム」に関しては,看護・介護以外のサービスとして,建設分野の点検サービス,警備サービス,店舗における接客サービス,農作業への適用の予備調査を実施した。本研究成果を,第19回国際福祉健康産業展(6月)および 第43回 国際福祉機器展(10月)で展示し、研究成果の社会実装に向け広報するとともに、様々な現場のニーズを抽出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
音声つぶやきによる気づきプラットフォームに関する要素技術の研究開発、および実際の介護施設での評価や介護現場を模擬した仮想フィールドでの実験を行い、その有効性を確認するとともに、成果を国際会議(2件)や国内会議(4件)で発表した。また、理論モデルの検討も進展した(論文誌2件)。さらに、気づきプラットフォームとしての汎化に関しては,第19回国際福祉健康産業展(6月)および 第43回 国際福祉機器展(10月)で展示を通じて、看護・介護以外の建設分野の点検サービス,警備サービス,店舗における接客サービス,農作業への適用など,当初の計画以上に幅広い適用可能性を具体的に確認でき、最終年度の施行評価の準備ができた.最終年度の目標である音声つぶやきによる気づきプラットフォームの実現に向け、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度までに研究開発した要素技術をベースに,H29年度は実験や実フィールドでの試行評価を行い,その成果を国内外の会議および論文誌に積極的に発表していく.また,実フィールで試行評価を行う「気づき支援システム」に関しては,本プロジェクトで開発したシステムと本研究チームが実施した過去の成果を生かして製品化された商用システムを併用する.
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