研究課題/領域番号 |
15H02787
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
池田 大輔 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00294992)
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研究分担者 |
小山 幸伸 大分工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (50598513)
今井 弘二 国立研究開発法人情報通信研究機構, ソーシャルイノベーションユニット統合ビッグデータ研究センター, 研究員 (50711230)
荒木 寛幸 文部科学省科学技術・学術政策研究所, その他部局等, 上席研究官 (80542026)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | データリポジトリ / ベクトル空間モデル / クイックルック / 研究データ |
研究実績の概要 |
様々なデータを分野外の人でも簡単に使えることを目指し、本研究では、データ流通基盤の概念的なフレームワークを提案し、複数分野に適用した実装により評価する。これを達成するために、学術情報流通の基本的な仮説を設定し、これを検証する仮説検証型で研究を進める。仮説にあたる(1)フーレムワーク、これを検証するプロトタイプを(2)データと(3)インターフェイスに分け、計3つの大項目を設定する。(1)では、代表者の研究成果である「検索によるデータベース操作」と目的で述べた内包表現を用いて、複数分野の研究者から抽出したニーズとあわせて、概念的なモデル提案を目指す。プロトタイプは、検証に加え、ニーズ抽出の時にも用い、現実的な議論の工夫とする。(2)は、データ自体に加え、その表現となるメタデータの拡充も含む。(2)および(3)で、データの確認や検証が簡単に可能になるようにする。互いの項目は関連しているが、仮のデータやモックアップ等を用いて、可能な限り独立に進め、外注も利用して効率よく研究を進める。 (1)の重要事項であるプロトタイプ構築について、クラウド上で位置とその関連情報を集積する既存システムを調査した。具体的には、複数分野でのリポジトリを、このシステム上に構築できるかシステムの開発者と打ち合せを行い、目指すインフラのプロトタイプとして利用可能であることを確認した。(2)について、機関リポジトリ等で公開されている論文から、自動的に関連するデータセット(ここでは特定のデータセットを仮定)を特定し、論文からメタデータを自動的に抽出するアルゴリズムとプロトタイプを構築した(国際会議発表予定)。(3)について、主に遺跡関連の情報、位置に関連した情報等のリポジトリを検討し、上述のシステム上に構築を開始した。昨年度までは、主にWebのインターフェイスであったが、スマートフォンでも利用できるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各項目について、進捗に多少の差はあるもののおおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
プロトタイプ構築について昨年度で目処がたったので、これを用いて本研究の目的である仮説の検証のために準備を行う。特に、使いやすいリポジトリ構築のためには、(2)で行った自動的なメタデータの拡充が重要だが、論文の権利に関する問題、データセット特定が困難であることなどの問題点が明かになったので、今年度は主にこの問題に注力する。さらに、個別のリポジトリの構築を進め、最終年度の評価に利用できるように準備する。
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