研究課題
平成29年度は主に以下4項目に取り組んだ。(1)本課題の核となるエアロゾル種推定アルゴリズムで用いるエアロゾル微物理・光学モデルの高度化を進めた。本研究課題では強光吸収性粒子ブラックカーボン(以下BC)の導入は計画されてはいなかったが、本課題の発展として、BC成分を核として水溶性物質により皮膜されたより現実に近いBC光学モデルCore-gray-shell model (Karnert et al. Opt. Exp., 2013)の導入を実施した。地上ライダーと実地測定との比較による性能評価を実施した後、本課題で開発した上記アルゴリズムへの実装を果たした。この実装により、本課題で推定される水溶性粒子、鉱物ダスト、海塩粒子や全エアロゾルの濃度等の推定精度の向上が見込まれる。(2)CALIOP/MODIS複合、及びCALIOP単体アルゴリズムによる全球エアロゾル解析を実施した。CALIOPが打ち上げられた2006年以降のデータに本課題で開発・改良したアルゴリズムを適用し、10年以上の長期データ解析を行った。また、CALOP信号データのversionが更新されたことを受け、データ解析では旧バージョン(ver3)と新バージョン(ver4)の双方を解析し、全球エアロゾルデータセットを刷新した。(3)引き続き地上連続観測の実施及び地上・衛星観測データの整備を行った。地上観測データを用いた直接比較と共に、アルゴリズム改良(微物理・光学モデルの改良等)にも活用した。衛星観測データとの比較も進め、MODIS標準プロダクトとの良い一致を見ることができ、開発・改良したアルゴリズムの妥当性が示された。(4)データセット構築を進め、データ公開に向けたクイックルック画像の作成とプロダクトの整備を行った。成果の波及と拡大を目指し、JAXAへのエアロゾル種推定アルゴリズムの提供も果たした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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