転写を阻害する鋳型鎖上のDNA損傷を迅速に除去し転写を回復させる「転写と共役したヌクレオチド除去修復 (TC-NER)」の解析を行い、TC-NER因子の機能について以下の結果が得られた。(1) CSBのC末端領域とSUMO化がTC-NERにおいて重要である。(2) UVSSAはUSP7と解離するとプロテアソームにより分解されTC-NER欠損となるが、ユビキチン化部位に変異を導入すると分解は抑制されTC-NERも正常になる。(3) RNAポリメラーゼIIのユビキチン化は損傷除去後の転写のリスタートに関与する可能性がある。これらの結果はTC-NERの分子機構の解明につながる成果である。
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