研究課題/領域番号 |
15H02834
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
牛山 明 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 上席主任研究官 (60291118)
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研究分担者 |
鈴木 敬久 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (30336515)
和田 圭二 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (00326018)
藤森 加奈子 (和氣加奈子) 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波計測研究所電磁環境研究室, 主任研究員 (50358959)
Tin・Tin Win・Shwe 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員 (00391128)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 健康影響評価 / 中間周波電磁界 / 医用応用 / 神経 |
研究実績の概要 |
電気機器、通信機器から放出される電磁波による健康への影響について懸念する声が大きい。これまで多くの研究があるにもかかわらず、周波数帯で考えると中間周波(300Hz~10MHz)の生体影響・健康影響についての先行研究は極端に少なく、世界保健機関(WHO)も公正なリスク評価のための影響評価データの蓄積が必要であるとしている。本研究では主として動物実験により、中間周波数帯電磁波の安全性に関する科学的根拠を収集することを第一の目的として実験を実施する一方で、非常に強い中間周波数帯電磁波のがん増殖の抑制効果について我々がもつユニークな手法を用いて検討することにより、中間周波数帯電磁波についてリスクとベネフィットの両面から追究することを目的とする。 これまでのばく露装置でマウスを均一磁界空間に置いた際に、マウス体内にどれだけの誘導量が発生するか不明であったが、今年度は数値解析モデルを用いて、ドシメトリを実施し、体内誘導量を明らかにした。これにより、実験で惹起される誘導量と生活環境におけるガイドラインの根拠となっている基本制限値との関係を明らかにすることができた。 このばく露装置を用いて、リスク評価の側面から中間周波数帯電磁波の神経系へ及ぼす影響について中心にその影響を評価をおこなった。これまでにマウスへの全身ばく露で、海馬におけるNMDA受容体サブユニットNR1が可逆性の発現亢進を示唆するデータを得た。今後これをさらに発展させ、電磁波ばく露によるNMDA受容体変化の再現性、反応性、組織像などについて検討を進めていく。 また医用応用の側面から、移植による担がん動物へのばく露を行うための準備をしていくつjavascript:onTransientSave();かのマウス腫瘍培養細胞株を用いて、移植の可否ついて検討をおこなった。今後、磁界のばく露影響を検討することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ばく装置の調整、ならびに動物へのばく露準備について調整が遅れ、ばく露実験が十分に出来ていなかった。 また研究代表者の本務において動物実験施設の外部検証の対応などで想定外の作業が重なったため遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
実験環境・設備の整備も十分に進んでいることから、平成28年度は前年度不足した内容も実施し、予定通りすすめていく計画である。
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