東日本大震災に端を発する福島第1原発事故により,原発周辺地域への放射性物質(特に放射性セシウム,以降,放射性Cs)の飛散が深刻な環境問題を引き起こした。復興が進むにつれ,仮置き場に運び込まれる汚染土壌量は莫大となり,その減容化は喫緊の課題である。既存法の湿式土壌分級法や熱分離(1360 ℃)法では,それぞれ廃水処理や過酷な処理条件に伴い,コスト高に繋がる等の課題がある。このような状況下,当該研究者らは本研究課題の推進によって,常圧加熱条件下(900 ℃),塩化鉄(様々な汚染土に対して0.2 %~10 %添加)を利用して迅速に高濃度Cs汚染土壌を99 %以上の高効率で熱分離する新技術を開発した。
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