研究実績の概要 |
バイオフェントン反応およびバイオフェントン様反応を用いて難分解性有機塩素化合物を効率良く無害化する高性能ファイトリメディエーション技術に関する基礎資料を得るために、異なる鉄材料を用いてペンタクロロフェノール(PCP)汚染土壌の浄化試験およびベトナム調査を行った。その結果、以下のような結果が得られた。 1) 酸化鉄ナノ粒子の表面を有機物(ポリエチレンイミン、メノ-2,3-ジメチルカプトコハク酸など)で被覆すると粒子の分散性が向上することがわかった。また、これらの被覆鉄粒子と蛍光試薬(APF)を用いた場合の蛍光分布が観察された。 2) 人工的に調整した PCP汚染土壌に酸化鉄微粒子を添加することにより、PCPが除去されることがわかった。また、中間生成物のテトラクロロヒドロキシンが検出された。 3) PCPの植物に対する吸着量はFreundlichの吸着等温式により表わされることがわかった。浄化過程を表わす数学モデルについては現在検討中である。 4) ベチバーは浄化に有効であると考えられたが、温帯域では増殖速度が低く、熱帯域での使用が適していると考えられた。このことから、ベトナムでベチバーの栽培を開始し、本技術を適用する候補地の調査を始めた。
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