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2016 年度 実績報告書

エマルション流の制御に基づくレアメタル回収に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H02850
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

長縄 弘親  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究主席 (00354837)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードエマルション流 / 液液抽出 / レアメタル回収 / 溶媒抽出装置 / エマルションフロー現象
研究実績の概要

本年度は、エマルションフロー法の特色を活かした新たなエマルション流制御の仕組み・容器構造の開発を継続するとともに、平成27年度に開発した仕組み・容器構造の機能評価を行った。また、エマルション流の発生・消滅を制御するメカニズムを解明するための研究を進めた。
とくに、平成27年度の研究において、唯一、満足できる結果が得られなかったエマルションの一時的な急成長を防ぐための仕組みの開発を重点的に行った。その結果、エマルションフロー装置の混合部に設置するノズルヘッドの構造あるいはノズルヘッド周辺の器壁の構造を改良することで、エマルションの一時的な急成長を効果的に抑制できることが分かった。
また、エマルション流の発生初期に見られる現象について高速度カメラを用いて更なる動的観測を行った結果、初期状態からエマルション流を形成に至るまでの様子を観測することができた。さらに、エマルション流が相分離部において消滅する際の様子を高速度カメラで観測した結果、エマルション流の消滅のメカニズム解明つながる現象が見つかった。
さらに、本研究の最終的な目標をにらんで、本研究で開発中の発展型エマルションフロー法の社会実装に向けて、レアアース、白金属元素などのレアメタル・貴金属を含む実際の工程液・廃液への適用についての検討に着手した。まずは、エマルションフロー法の装置を用いた試験に先立って、適切な抽出剤・抽出系を選択するとともに、バッチ試験(試験管試験)を行った。なお、アニオン性の共存物質、アルカリ金属・アルカリ土類金属などのICP-MS(既存装置)での測定が困難な元素の分析・定量には、平成27年度に購入したイオンクロマトグラフィーを有効に活用した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成28年度に設定した研究実施計画は、すべて順調に進展している。とくに、平成27年度からの課題であったエマルションの一時的な急成長を防ぐための仕組みの開発に成功した意義は大きい。また、エマルションフロー現象の解明に関する研究では、水相側の相分離部(下の相分離部)と油相側の相分離部(上の相分離部)とではエマルション消滅時の液滴のサイズが大きく異なる、という予想し得なかった新しい発見があった。

今後の研究の推進方策

平成27年度に引き続き、平成28年度の研究実施計画もすべて順調に進展したため、基本的には、当初の研究計画に基づいて研究を進める。たとえば、今後の具体的な研究の1つとして、ノズルヘッドの構造にも着目した検討を行い、装置の更なる高性能化を目指す。また、新たに発見された現象に対しては、更に詳細にメカニズムを検討する。ある程度の成果が蓄積した段階において、学会発表、論文投稿を行う。

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公開日: 2018-01-16  

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