研究課題/領域番号 |
15H02863
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
橋本 征二 立命館大学, 理工学部, 教授 (30353543)
|
研究分担者 |
南齋 規介 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 室長 (80391134)
中島 謙一 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (90400457)
谷川 寛樹 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90304188)
加用 千裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50550183)
湯 龍龍 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 任期付研究員 (30737359)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ライフサイクル評価 / インベントリ分析 / 環境影響評価 / 産業エコロジー |
研究実績の概要 |
a) 資源・物質利用の環境影響評価手法の開発 対象資源・物質の網羅性・論理性を高めるため、産業連関表の部門をベースに対象資源・物質を選定し直した。具体的には、産業連関表の部門間の関係を考慮しつつ対象部門を選定した上で、これとIDEA2の財と対応させ、約200資源・物質を選定した。また、これをもとに1単位の対象資源・物質のライフサイクル環境影響を3EID及びIDEA2を用いて試算した。 b) 資源・物質利用および製品・サービス利用の環境影響評価のためのデータベースの構築 産業連関表を用いた分析として、国内・海外の水消費に関わるデータベースを用いて、製品・サービスの水消費原単位を作成した。また、IDEA2を用いた分析として、対象資源・物質に関わるGHG排出量を推計し、国の総GHG排出量と整合的であることを確認した。 c) 資源・物質利用および製品・サービス利用の環境影響評価と環境対策優先度の検討 1単位の対象資源・物質のライフサイクル環境影響に、資源・物質の生産量を乗じて、資源・物質利用の環境影響評価を行った。その結果、日本の資源・物質利用に伴う総環境影響は、1990-2010年の間ほぼ横ばいで推移していると推計された。日本の天然資源等消費量はこの間約4割減少し、資源生産性も向上したが、環境影響の観点からは必ずしも減少の傾向が見られないことが示唆された。また、製品・サービスの水消費原単位に、製品・サービスの需要量を乗じて、製品・サービス利用の水消費への影響評価を行った。その結果、「飲食料品」「対個人サービス」「水道・廃棄物処理」に関わる水消費が大きく、「飲食料品」に関わる水消費のうち、80%は国外での水消費であると推計された。そのうち、アメリカでの水消費が約半分を占めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、a) 資源・物質利用の環境影響評価手法の開発、b) 資源・物質利用および製品・サービス利用の環境影響評価のためのデータベースの構築、c) 資源・物質利用および製品・サービス利用の環境影響評価と環境対策優先度の検討で構成されるが、対象環境負荷は限られるものの、2年目でc)まで到達できた。
|
今後の研究の推進方策 |
a) 資源・物質利用の環境影響評価手法の開発 1単位の対象資源・物質のライフサイクル環境影響について、a)におけるモデル開発とb)におけるデータベース構築の進捗を見極めながら、対象資源・物質を増やして試算する。 b) 資源・物質利用および製品・サービス利用の環境影響評価のためのデータベースの構築 LCAソフトウェアのデータベースと産業連関分析に基づくデータベースの統合について引き続き検討するとともに、統合に必要な部門やデータを追加する。 c) 資源・物質利用および製品・サービス利用の環境影響評価と環境対策優先度の検討 a、bをもとに資源・物質利用の環境影響評価、製品・サービス利用の環境影響評価を行い、結果をa、bの検討にフィードバックする。これを繰り返し行って結果を改善するとともに、環境対策優先度の検討を行う。
|