研究課題/領域番号 |
15H02865
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
朝岡 幸彦 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60201886)
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研究分担者 |
野村 卓 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00507171)
日置 光久 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任教授 (10181059)
江崎 保男 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (10244691)
笹川 孝一 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70178630)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 湿地教育 / 大型鳥類の野生復帰 / 海洋教育 / ESD / SDGs |
研究実績の概要 |
【後期計画】として前期計画における実践事例の研究成果から明らかとなった(広義の)湿地教育の構造を明らかにするとともに、持続可能な開発のための教育(ESD)としての湿地教育の役割を明らかにするために、「汎(Pan)湿地教育」に含まれる「水(みず)系環境教育」諸領域(水田教育、流域教育、湖沼教育、海洋教育など)の内的関係を明らかにしつつある。 本プロジェクトの研究成果を検証し、湿地教育に関する情報交換を行うため、日本湿地学会2017年度(第9回)大会(2017年9月9日)を研究代表者(朝岡)が大会実行委員長となって東京農工大学で開催した。本プロジェクトの研究分担者及び研究協力者が「福沢諭吉『学問のすすめ』における「文明」と自然~近代化と湿地・自然に関連する東アジアの伝統~」(笹川)、「「湿地の文化」と地域づくりを支える「教育」にかんする研究(その 1)」(佐々木)が口頭発表を行ったほか、大会特別シンポジウム「湿地研究の発展方向について~『図説 日本の湿地』の刊行とその意義~」において研究代表者(朝岡)がパネルディスカッションで報告し、研究分担者(笹川)が司会・コーディネーターとして研究の成果の一部を公表した。 こうした経験をもとに、海洋教育における多くの実践・研究の蓄積を踏まえて、「湿地教育」とともに「海洋教育」をいま一つの柱として「汎(Pan)湿地教育」を構想する視点を検討している。 最終年度となる平成30年度に向けて、本研究プロジェクトの【まとめ】を『湿地教育・海洋教育』として出版する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
【前期計画】のまとめ(本研究プロジェクトの中間報告の作成)として、「ESDにおける湿地教育の役割」を『自然体験学習実践研究』(第 2 巻 2 号)を刊行することで大型鳥類の野生復帰を軸とした湿地教育の基本構造を明らかにすることができた。 こうした研究の成果を踏まえて、「汎(Pan)湿地教育」を構成する二大基本領域として①「湿地教育」、②「海洋教育」を立て、SDGs(持続可能な開発目標)の「4 質の高い教育をみんなに」「6 安全な水とトイレを世界中に」「13 気候変動に具体的な対策を」「14 海の豊かさを守ろ う」「15 陸の豊かさも守ろう」に対応した枠組みを策定している。 これは、生物多様性及び地球温暖化等の地球環境問題全般につながる環境学を支える新たな環境教育として「汎(Pan)湿地教育」の構造化を進めようとするものである。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となるため、本研究プロジェクトの【まとめ】を『湿地教育・海洋教育』として出版する準備を進めている。 その主な構成は以下のとおりであり、定例会において必要な討議を重ねるとともに、必要な補足調査を行う予定である。 序章SDGsにおける湿地教育・海洋教育(朝岡幸彦)/第1章学校教育・社会教育における湿地教育(石山雄貴)/第2章体験学習におけるCEPAの役割(田開寛太郎)/第3章学校教育における海洋教育(日置光久)/第4章海と人との物語構築としての海洋教育(田口康大)/第5章コウノトリの保護における湿地の役割(江崎保男)/第6章タンチョウの保護と共生のための湿地教育(野村卓)/第7章ナベヅル・マナヅルの保護と地域づくり(酒井佑輔、農中至)/第8章地域づくりと湿地の文化・教育(佐々木美貴)/第9章神話における「湿地」(笹川孝一)/終章 座談会 湿地教育・海洋教育の未来/(朝岡幸彦、笹川孝一、日置光久)
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