研究課題
子どもにとって「遊び」は、自然のしくみを知り、生活の知恵を身につけるための重要な体験である。しかし、特に日本の都市部では、かつて誰もが体験できた遊びや体験型の環境学習を実践していくことは難しいのが現状である。本研究では、身近に残された緑地や河川といった自然空間やオープンスペースを、生物多様性を保全しながら、子どもの「遊び」と「環境学習」を目的として再生・創造してきた。さらに、実際の計画・設計プロセスと日欧の比較研究を通して、身近なオープンスペースを、「地域の自然環境の修復・再生」、「環境学習」、「住民参加」、「子どもの遊び」の場として活用できるような新しい環境デザインの手法と同時に日本の風土に適した継続的な環境学習プログラムを開発することを目的として研究を推進した。平成27年度から30年度の4年間にわたって、実際に設計、活用を行ってきた空間の植生変化、生物の生息状況と子どもたちの行動との関連についてのモニタリング、身体スケールからのアプローチを行った。地域の子どもや保護者、小学校の教諭、地方自治体の技術者、日本・ノルウェー・ドイツの各野の研究者が協力し、「自然の仕組みを知るための直接的な身体的体験や心理的体験ができる環境デザイン」と、その効果を高めるための「環境学習プログラム」を作成、実践した。また、大学院生がプロジェクトチームを形成し、ワークショップを実施することにより小学校や地域との協力体制を形成し、計画を遂行、継続した。本研究の成果から得られたのは、1)子どもや地域の人々、教育現場の教師が、遊びや環境学習のためにどのような環境を望んでいるのかということ、2)子どもたちの学習へのモティベーションと教科教育が結びつくような環境学習プログラムの開発 3)学際的、国際的な議論から生まれてくる新しい環境計画や環境活用方法である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Urban Biodiversity and Ecological Design for Future Cities
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