研究課題/領域番号 |
15H02883
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
大島 千佳 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (10395147)
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研究分担者 |
福田 修 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20357891)
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50418498)
西ノ平 志子 三重大学, 工学研究科, リサーチフェロー (40782660)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 作業プログラム / リフレクションミーティング / 介護スタッフ / 認知症 / AR / 手の巧緻性 |
研究実績の概要 |
本研究は,認知・身体機能の低下により,生活に意欲を失いつつある認知症者が,デイケア施設で自分に最適な活動を提供されることで,生きがいをもって通所することを目指している.本年度は下記の項目について研究を行った. 1.各認知症者に合う作業プログラムを提供するには,作業プログラム終了後の介護スタッフのミーティングが重要である.日頃より適切な作業プログラムを検討し,提供している重度認知症者が通うデイケアにおいて,ベテランの介護スタッフによる発話データを収集した.その結果,作業プログラムの準備,実施,振り返りの過程で,各認知症者の状態や様子について,スタッフ間で随時共有していることがわかった. 2.高齢者などの作業療法(塗り絵)において,作業療法士が観察・判断すべきポイントをチェックできるアプリケーションを構築した.塗り絵は下絵に番号がついた枠があり,指定された色と数字に合わせて塗っていく方法を採用した.作業療法士に協力を得て,アプリケーションに搭載する評価項目を提案した.アプリケーションにしたことにより,作業療法中にもリアルタイムにチェックできるようになった.そのため,対象者のワーキングメモリを評価することが可能となった.高齢者と学生を対象者とした実験を行った.認知機能検査(MoCA)も行った.「視空間/遂行」「言語」「遅延再生」の各項目において,学生と高齢者群間で有意差があった.また年齢とアプリケーションの様々な評価項目との相関が強かった.これらの結果から,構築した塗り絵の作業療法を評価するアプリケーションは,年齢による機能低下を評価できると考えられる. 3.Augmented Reality (AR)の映像の中で,筋電図信号(EMG)をもとに,バーチャルな義手を動かすことができるシステムを構築した.手の寸法や動きは,実際の手に非常に近いものとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
作業療法を評価するアプリケーションの開発や,ARの映像の中でリアルに感じられる手の動きを実現できており,当初の計画以上に,システム開発が進んだ.
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今後の研究の推進方策 |
ARでの手の動きを,作業療法やピアノ演奏,手の巧緻性評価などのコンテンツへと応用する予定である.
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