レンチナンによる腸管炎症抑制の機構としては、腸上皮細胞基底膜側に発現しているTNF-α受容体であるTNFR1の発現量が減少し、それに伴いNF-κBの核内移行、炎症性サイトカインの産生が抑制されると想定されている。そこで本研究では、レンチナンが誘導する細胞膜でのTNFR1の発現変化を可視化することによって検討した。TNFR1-GFP融合タンパ ク質の細胞膜での発現量が、レンチナン処理により有意に低下することが明らかになった。さらに、全反射照明蛍光顕微鏡観察により、レンチナン による細胞膜に存在するTNFR1量の減少は、TNFR1の細胞膜への輸送が抑制されるためであることが明らかとなった。
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