研究課題
高感度ゲノム・エピゲノム解析基盤技術と情報解析パイプラインの整備をさらに進めた。神経内分泌型胸腺腫でメチル化により不活性化されるがん抑制遺伝子RASSF1、食道がんの進展過程で発現上昇によりmiRNAの調節異常を介して悪性化に関与するがん遺伝子候補KHSRPなどエピジェネティックな異常によりがん化に関わる遺伝子群を同定した。マウス膵臓α癌細胞を用い亜硝酸塩によるグルカゴン分泌を検討したところ、亜硝酸塩によってグルカゴン分泌は抑制され、その抑制はAMPK 阻害剤によって解除させることを見いだしした。AMPK は亜硝酸塩によってリン酸化をうけ活性化することから、亜硝酸塩→AMPK リン酸化→グルカゴン分泌の抑制が起きている事が推定された。また、唾液腺からの硝酸イオン分泌の意義についても検討した口腔内に分泌された硝酸イオンは口腔内の常在菌(Actinomycesspp.等)によって還元され亜硝酸イオンになる。亜硝酸イオンは嚥下により胃内や体内で一酸化窒素(NO)になり種々の生理作用を発揮するが、亜硝酸イオンはクロストリジウム属の細菌(ボツリヌス菌)に対する抗菌活性がある事から食中毒の予防にも関与していることが推定され、現在継続して検討を行っている。これまでフラボノイドの一種であるケルセチンの血管内皮細胞保護効果について検討を行ってきた。今回、内皮細胞におけるVCAM-1の発現抑制による抗炎症作用が示唆された。また、ヒト大動脈瘤を用いた検討で関与が示唆されているヒストンアセチル化について解析を行った。その結果、ケルセチン投与群では大動脈組織から抽出したH3K9のアセチル化を増加させる傾向を認めたが、その病態的意義については今後の検討課題である
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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