研究課題/領域番号 |
15H02906
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
高地 リベカ 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (60413085)
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研究分担者 |
石原 淳子 相模女子大学, 栄養科学部, 准教授 (30415509)
澤田 典絵 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (00446551)
八谷 寛 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30324437)
田中 純太 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (40401749)
井上 真奈美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任教授 (70250248)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 食事評価 / 24時間思い出し法 / 疫学研究 / 較正研究 |
研究実績の概要 |
料理ベース食事調査ウェブシステムは、料理データベースを搭載した24時間思い出し法に基づくオンラインシステムである。料理DBは秤量食事記録を整理して代表的なレシピ(食品構成)として集約し、検索語などを付加した。このシステムの実用化に向けた調査を実施し質的な評価を行ったところ、料理名選択、及び詳細(食品・重量)入力の煩雑さに起因するシステムでの自己回答の難しさが明らかとなった。一方、料理を選択する方法自体は食材単位での入力より簡単との回答も得られ、わが国の食生活様式に適した調査法と期待できた。 これらの結果を踏まえたシステム改善を行い、大規模コホートでの導入にむけた運用方法についての検証を行った。愛知・新潟におけるコホート研究の参画を得た。対象者の8%からの回答を目標に無作為に抽出し、季節毎に調査時期を分け、郵送と再依頼2回による募集を実施した。その際、曜日を指定して依頼した。ウェブ環境を有しない対象者には電話で調査を行った。2季節分の集計結果では回答率はコホート対象者の4%である。そのうち、Web回答8割弱、電話回答2割強で、調査曜日の内訳は平日:週末で5:2の割合であった。任意で2日間協力を依頼したところ約7割が協力した。 さらに、大規模疫学研究における食事評価として、同一の調査集団内においてウェブによる食事評価ツールが、従来の紙面版と混在して併用できるかを検討するために、両者の妥当性について相違の有無・程度について比較した。コホート対象の男女237人が秤量食事記録調査、Web及び紙面版調査票のすべてを完了した。Web版から計算した摂取量推定値と秤量法との相関係数を求め紙面版による値と比較した。両者の相関係数は同様の値を示し、摂取量5分位による順位づけを相互に比較してもよく一致した。大規模調査においてWeb版と従来の方法である紙面版との調査ツールは併用可能と示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究による調査が、年間を通じて(季節変動を考慮して)食事データを集めて平滑化したデータを収集すべきであることが1年目の海外の先進事例より判明したこと(調査期間が1年以上かかる)。申請時に交渉していたコホート研究が対象地域との調整により参画を得られなかったため、新たな別のコホート研究との調整が必要となったこと。較正研究を行うコホート研究本体の調査票実施(配布・回収)のスケジュールによる都合。等により、遅れている。しかし、できる見通しはついている。
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今後の研究の推進方策 |
国立がん研究センターによる次世代多目的コホート研究の長野県地域の一部と、山形県コホートの参画を得ることになった。コホートの調査票実施(配布・回収)が完了した時期から、調査を開始する予定である。計5200人程をリクルートする予定である。昨年度に実施した調査(愛知・新潟)の結果について調査が完了次第まとめる。匿名化された食事調査データはコホート研究事務局と共有する。調査票データとの突合により摂取量の比較等、多角的に検討を進める。
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