• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

小・中学校理科で教科書の結果と矛盾してしまう観察・実験の解決策と海外への発信

研究課題

研究課題/領域番号 15H02910
研究機関千葉大学

研究代表者

山下 修一  千葉大学, 教育学部, 教授 (10272296)

研究分担者 加藤 徹也  千葉大学, 教育学部, 教授 (00224519)
大和 政秀  千葉大学, 教育学部, 准教授 (00571788)
林 英子  千葉大学, 教育学部, 准教授 (40218590)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード観察・実験
研究実績の概要

本研究では,小・中学校理科の観察・実験で工夫しても教科書通りの結果が得られないものが存在し,児童・生徒の観察・実験結果を生かしたまとめができず,理科教員たちを悩ませている状況を鑑み,現職理科教員を対象にした質問紙調査により,教科書の結果と矛盾してしまう観察・実験を特定する。そして,教科書の結果と矛盾しなくなるように,教科内容専門の分担研究者や海外共同研究者とともに解決策を開発し,実際の理科授業でその有効性を実証することを目的とする。また,今までは限られていた優れた日本の理科授業(特に観察・実験)の情報を広く国内外で共有することも目的とした。
千葉県内の公立中学校理科教員45名を対象にして,中学校3学年分の教科書に番号が記載されているすべての観察・実験(地学分野は実習を含む)88件(物理分野25件[ただし,電流と電圧の4つ測定については1つにまとめた]・化学分野24件・生物分野23件・地学分野16件)について,「うまくいく」「うまくいかない」「わからない」「指導経験なし」で回答させ,うまくいかない具体例についても記述させた。
その結果,最も「うまくいかない」と回答されたのは,化学40「定比例の法則を示す金属の酸化実験(81.1%)」で,次に生物71「花粉管の観察(59.5%)」と生物69「細胞分裂の観察(59.5%)」の順だった。
そこで,化学40「定比例の法則を示す金属の酸化実験」と生物69「細胞分裂の観察」について,教科書通りの結果が得られるような方法を開発した。研究成果については,論文作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度には,研究計画通り,中学校理科教科書の中でうまく行かない観察・実験についての調査を実施して,教科書の結果と矛盾してしまう観察・実験を特定できた。調査の結果,最も「うまくいかない」と回答された化学40「定比例の法則を示す金属の酸化実験」と生物69「細胞分裂の観察」について,教科書通りの結果が得られるような方法を開発でき,研究成果をまとめており,順調に研究を遂行している。

今後の研究の推進方策

今後,既に着手済みの斜面を転がる球の衝突実験,オオカナダモを使った光合成の実験,雲のでき方についても,開発した解決策により,観察・実験結果がまとめやすくなったのかを実際の小・中学校理科授業で実証的に検討する。
理科教員対象の調査により新たに特定された単なる工夫や条件変更だけではうまく行かない観察・実験については,各出版社の教師用指導書等を参照しながら,解決策が開発可能か検討する。解決策が開発可能だと判断された観察・実験については,物理・化学・生物・地学の各分野少なくとも1つは新たな解決策開発に取り組む予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)

  • [雑誌論文] 中学校での月の満ち欠けの説明における小学校の学習の影響と改善モデルの開発2016

    • 著者名/発表者名
      山下修一 ・伊藤英樹・柴田道世
    • 雑誌名

      科学教育研究

      巻: 39(4) ページ: 347-358

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 現場の授業改善に資する理科授業研究-公開授業研究会へ向けての2年間の取り組みを例にして2015

    • 著者名/発表者名
      山下修一・勝田紀仁
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 56 ページ: 93-103

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Developing New Model of Moon Phases2015

    • 著者名/発表者名
      Shuichi YAMASHITA,, Masaaki OKUDA
    • 学会等名
      2015 International Conference of the East-Asian Association for Science Education
    • 発表場所
      北京師範大学(中国・ 北京)
    • 年月日
      2015-10-16 – 2015-10-18
    • 国際学会
  • [学会発表] Introduction of experiments using Gas Detector Tube system2015

    • 著者名/発表者名
      Masaaki OKUDA, Shuichi YAMASHITA
    • 学会等名
      2015 International Conference of the East-Asian Association for Science Education
    • 発表場所
      北京師範大学(中国・ 北京)
    • 年月日
      2015-10-16 – 2015-10-18
    • 国際学会
  • [学会発表] Development of experimental teaching and learning aids, experimental equipments and experimental Activities2015

    • 著者名/発表者名
      Ken'ichi Saiki, Nobuya Hayashi, Fumi Nakanishi, Shuichi YAMASHITA
    • 学会等名
      2015 International Conference of the East-Asian Association for Science Education
    • 発表場所
      北京師範大学(中国・ 北京)
    • 年月日
      2015-10-16 – 2015-10-18
    • 国際学会
  • [学会発表] Overcoming the Belief in a Relationship between the Earth’s Rotation and Moon Phases2015

    • 著者名/発表者名
      Shuichi YAMASHITA, Hideki ITOU, Michiyo SIBATA
    • 学会等名
      11th Conference of the European Science Education Research Association
    • 発表場所
      Messukeskus Helsinki, Expo and Convention Centre(Finland,Helsinki)
    • 年月日
      2015-08-31 – 2015-09-04
    • 国際学会
  • [学会発表] 雲の発生についての大学生の認識調査2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤英樹・山下修一
    • 学会等名
      日本科学教育学会第39回年会
    • 発表場所
      山形大学(山形県・山形市)
    • 年月日
      2015-08-21 – 2015-08-23
  • [学会発表] 中学校での月の満ち欠けの説明における小学校の学習の影響と改善モデルの開発2015

    • 著者名/発表者名
      山下修一・伊藤英樹・柴田道世
    • 学会等名
      日本科学教育学会第39回年会
    • 発表場所
      山形大学(山形県・山形市)
    • 年月日
      2015-08-21 – 2015-08-23
  • [学会発表] 雲の発生についての一貫した説明を促す授業法の開発2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤英樹・山下修一
    • 学会等名
      日本理科教育学会第65回全国大会
    • 発表場所
      京都教育大学(京都府・京都市 )
    • 年月日
      2015-08-01 – 2015-08-02
  • [学会発表] 中学校での月の満ち欠けの説明における小学校の学習の影響2015

    • 著者名/発表者名
      山下修一
    • 学会等名
      日本理科教育学会第65回全国大会
    • 発表場所
      京都教育大学(京都府・京都市 )
    • 年月日
      2015-08-01 – 2015-08-02

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi