研究課題
本研究では,小・中学校理科の観察・実験で工夫しても教科書通りの結果が得られないものが存在し,児童・生徒の観察・実験結果を生かしたまとめができず,理科教員たちを悩ませている状況を鑑み,現職理科教員を対象にした質問紙調査およびインタビューにより,教科書の結果と矛盾してしまう観察・実験を特定した。そして,教科書の結果と矛盾しなくなるように,教科内容専門の研究分担者や海外共同研究者とともに解決策を開発し,実際の理科授業でその有効性を実証することを目的とした。また,今までは限られていた優れた日本の理科授業 (特に観察・実験)の情報を広く国内外で共有することも目的とした。平成29年は,現職教員対象の調査結果から,最も「うまくいかない」と回答された割合が高かった化学「定比例の法則を示す金属の酸化実験」,生物「細胞分裂の観察」の改善例を開発し,論文化したが,平成30年には,「血液の循環」「光合成」「植物の結実」「金星の満ち欠け」の改善例を開発し,論文化した。また,平成30年度には研究代表者が千葉大学よりサバティカル研修を取得し,カナダUBCに客員教授として滞在し,Prof. Anderson や Prof. Tanらと共同して新たな理科教育コンテンツを開発し,現地の小・中学校で日本式のLesson Study(授業研究)を展開しながら,優れた日本の理科授業 (特に観察・実験)の情報を発信した。平成30年12月8日(土)には,理科教育学会関東支部大会(宇都宮大学)にて,Prof. Andersonによるカナダの教育研究についての遠隔理科教育国際セミナーを実施した。また,研究分担者は,Twincle・「逆」Twincle Programで来日した留学生たちに,本研究の成果を優れた日本の理科教育のコンテンツとして紹介し,科学の授業づくりに生かした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
千葉大学教育学部研究紀要
巻: 67 ページ: 41-49
科学教育研究
巻: 42(2) ページ: 112-119
巻: 66(2) ページ: 133-137
In Finlayson, O.E., McLoughlin, E., Erduran, S., & Childs, P. (Eds.), Electronic Proceedings of the ESERA 2017 Conference. Research, Practice and Collaboration in Science Education,
巻: ESERA 2017 ページ: 148-156