研究課題
本研究は、1)環境調和型イオン液体の合成、特に生分解性イオン液体が合成できると考えられる生体分子に注目した新規イオン液体の合成研究を行い、2)得られたイオン液体を含め、児童・生徒に扱いやすい教材を用いたマイクロスケール実験を実施し、3) 小中高の教材として展開ができるように工夫し、ユニバーサルな化学実験教材の提示手法を確立することを目的とする。4)また開発した教材を広く国内外で紹介、ICTを活用し、生きた教材としてすることで広く一般に対して化学への啓蒙活動を行う。実験教材は広報・成果公開活動としてサイエンス展での提示教材の作成を行うとともに、広範な研修事業展開に資するとともに遠隔教育への展開のための改良を行うことを計画している。本年度は、イオン液体の機能的性質を明らかにする手法として、引き続いてイオン液体の構造と熱的特性の関連について詳しく調査した。現存の DSCなどは、固体の熱的特性を明らかにすることを想定した機器であり、液体を市販の熱分析装置で簡便に熱分析する手法はまだ開発されていないため、種々のイオン液体に熱分析を行い、特に生分解性素材としてのセルロースに着目してその溶解特性と熱的特性の相関について検討した。また、実質的な教材化に着手し、香川大学大学教育学部必修科目として実施している基礎化学実験の教材化ならびに全学教育を受講する学生が使用するための安全教育マニュアルの作成を行った。次年度は成果としての教材のテキスト化に向けてさらに詳しく検討を進めたい。
2: おおむね順調に進展している
成果としてのマニュアルの作成ができた。
本研究成果を生かした教科書の作成を行う。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Sikkhana, Special issue, ISBN 2350-9503
巻: 5 ページ: 1-144