研究課題/領域番号 |
15H02924
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植阪 友理 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 助教 (60610219)
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研究分担者 |
中川 正宣 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 特別研究員 (40155685)
上西 秀和 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50637006)
深谷 達史 群馬大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (70724227)
仲谷 佳恵 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任助教 (70771864)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教師の実態把握力 / 数理モデル / 学校での実践研究 |
研究実績の概要 |
教師の授業力を構成する重要な要素として、子どもの実態把握力で挙げられる。教師の実態把握力は、学校現場では『教師の「みとり」』として古くから重視されている。その一方で、近年、教師の「みとり」が必ずしも正確ではない実態も明らかになってきている。しかし、教師の「みとり」を実証的に検討するための方法論や教師の「みとり」をどのように授業実践の改善に生かしていくのかという点は明らかではない。以上を踏まえ,本研究では、数理モデルおよびWebツールの開発・改良、さらには指標を生かした調査や学校現場との実践研究を行っている。 1 ,2年目は、実態把握力の解析方法に関する基礎研究として数理モデルとWebツールの開発・改良を重点的に行った。理論的検討はほぼおわり、webへの実装もすすんだ。モデルの評価と英語版への拡張については課題が残ったため、その点については今年度、改良を加えた。3年目の今年は、むしろ指標を生かした調査や学校現場との実践研究に重点をあて、柏市および東京書籍との連携を始めた。具体的には、現在、東京書籍が実施している全国学力テストの実施に合わせ、開発した数理モデルを適用するとともに、学校の教育実践に結びつけて行くことを計画し、実行中である。 本年度は、国内外への成果の発信も合わせて積極的に行った。Learning and Instructionの母体である、海外ではThe European Association for Research on Learning and Instructionにおいて2件の発表を行うとともに、日本教育心理学会とテスト学会(2件)においても発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教師の授業力を構成する重要な要素として、子どもの実態把握力で挙げられる。教師の実態把握力は、学校現場では『教師の「みとり」』として古くから重視されている。その一方で、近年、教師の「みとり」が必ずしも正確ではない実態も明らかになってきている。しかし、教師の「みとり」を実証的に検討するための方法論や教師の「みとり」をどのように授業実践の改善に生かしていくのかという点は明らかではない。以上を踏まえ,本研究では、数理モデルおよびWebツールの開発・改良、さらには指標を生かした調査や学校現場との実践研究を行っている。どのテーマについても4年間をかけて追求するが、以下のように2年ずつ重点テーマを決めて検討している。 1~2年目:【解析方法に関する基礎研究】数理モデルとWebツールの開発・改良 3~4年目:【教育実践に関する実証研究】指標を生かした調査や学校現場との実践研究
3年目であった昨年は、数理モデルの開発の段階から、柏市教育委員会との連携を開始し、実践研究へとシフトした。これは当初の計画通りのペースである。
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今後の研究の推進方策 |
1 ,2年目は、実態把握力の解析方法に関する基礎研究として数理モデルとWebツールの開発・改良を重点的に行った。理論的検討はほぼおわり、webへの実装もすすんだ。モデルの評価と英語版への拡張については課題が残ったため、現在も修正を行う等、研究を深めているところである。3年目からは、指標を生かした調査や学校現場との実践研究に重点をあてている。特に、柏市教育委員会や東京書籍と連携し、本数理モデルの全国学力テストへの応用を模索している。また、柏市立風早北部小学校をはじめ、教育実践にも関わり、ここでの結果がどのように授業改善に結びつくのかについて実践研究を行う。また、高校において新たなテスト形式での実施を模索しており、その中で本数理モデルを利用する予定である。ここから授業改善へと結びつけることを目指す。以上のように、本年度は、提案したモデルの教育現場への展開について検討する。
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