研究課題/領域番号 |
15H02932
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
美馬 のゆり 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00275992)
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研究分担者 |
Michael Vallance 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00423781)
室田 真男 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (30222342)
市川 尚 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (40305313)
渡辺 雄貴 東京工業大学, 教育革新センター, 准教授 (50570090)
美馬 義亮 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60325892)
根本 淳子 愛媛大学, 大学連携e-Learning教育支援センター四国愛媛大学分室, 准教授 (80423656)
鈴木 克明 熊本大学, 大学院社会文化科学研究科, 教授 (90206467)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 学習支援システム / 成長モデル / ピアチュータリング / 共同省察 / 可視化 |
研究実績の概要 |
これまでの調査、考察結果を活かし、5つのプログラムの開発それぞれについて、連携をとりつつ、基本設計、詳細設計、評価と検証、試験運用を開始した。研究実践大学の学内における関係する学習支援活動を調査した。その結果をまとめ、本研究のかなめである大学生の発達3段階モデルに従って、学生自身が自分自身の学びを設計できるような項目に整理した。この内容について大学生向けのテキストとして出版することが確定した。 【レベル0】大学入学時レベル:自分の学びと 向き合う(メタ認知的方略)[1.自分を取り巻く学習環境を整理する、2.自分の学習スタイルの特徴をつかむ、3.学びの深さを考えるペリーの発達理論、4.学びを調整する] 【レベル1】チューティーレベル:学びの場をつくる(リソース管理方略)[5.学びあう場づくり、6.仲間と学ぶ、7.話し合いの技法、8.時間を管理する、9.失敗に強くなる] 【レベル2】チューターレベル:学び方を工夫する(認知的方略)[10.学習意欲とARCS、11.記憶の仕組みと9教授事象、12.学びの出入口、13. 課題分析と指導方略、14.実践に役立つ学び] 【レベル3】マスターチューターレベル:自分のこれからの学びを考える[15.学習の必要性を考える] また、海外の事例調査の過程で得た書籍Linda Nilson(著)CREATING SELF-REGULATED LEARNERSを、研究成果の一部として広く国内に周知するため、本科研メンバーが翻訳に関わり、出版することになった。自己調整学習者育成のために、授業者が行うべきことに関するもので、大学の授業の効果的な設計方法や評価についての実施時期や内容が、授業分野に関わらない、共通の方法として簡潔にまとめられている。その内容は、本研究に反映されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた「段階的成長モデルの確立とその育成支援システムの開発」のため、5つのプログラム(①チュータリング・プログラム、②講義プログラム、③チューター育成プログラム、④ラーニング・アトラス、⑤段階的成長モデル評価プログラム)の開発のため、研究実践大学の学内における関係する学習支援活動を調査した。その結果をまとめ、本研究のかなめである大学生の発達3段階モデルに従って、学生自身が自分自身の学びを設計できるような項目に整理した。その整理した内容で実践に着手できたこと、またその内容を書籍として出版する計画も具体化できたことから、おおむね順調に進展したと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、本研究課題「大学生の3段階成長モデルの確立とその育成支援システムの開発」の最終年度に当たる。そこで、これまでの研究成果のまとめとして、以下のことを実施する。 (1)前年度より開発してきた段階的成長モデルとその育成支援システムの内容を、開発過程も含めて整理し、成果をまとめ、国内外の学会や研究会で研究成果を発表する。 (2)全国の大学の希望者を対象として、段階的成長モデルとその育成支援システム導入のためのワークショップを企画し、試行する。 (3)本研究で開発する高等教育における段階的成長モデルとその育成支援システムの成果をWeb上で公開する。 (4)他大学でも実施が可能なように、システムの構築過程を記録し、出版するなど、複数の手法を用いて広く周知する。
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