研究課題
最終年度として,これまでに開発した取引メカニズムの改良や実効性に焦点を当て,その理論と評価結果を吟味した.また,電子市場に用いられる広告オークションや商品の配置に拡張し,吟味を行なった.さらに,現実世界の消費者の行動に着目し,提供される情報に対する信頼性評価を行うことで,電子商取引と現実の行動のハイブリッドなメカニズム開発が可能となるよう,取引者の嗜好などに基づく,現実世界での情報推薦システムを開発し,実験を実施した.具体的に次の項目を実施した.(1) VCGメカニズムの単一財複数ユニットオークションに対する被験者実験を昨年度に継続して実施した. (2) 電子商取引メカニズムの適用先を予測市場に拡張し,昨年度に引き続き市場メカニズム設計において,プライバシー保護の観点を導入した際の検討を,シミュレータの試作とともに行った.(3)スポンサードサーチオークションにおける外部性を取り入れた場合のメカニズムとモデルに関するシミュレーションによる評価を実施した.(4)電子商取引に関してサービスのような財の価値について買い手がある一定の期待を持ち購入するような財の取引に関して,イベントビジネスを対象に実験を実施した.取引者の行動センサリングと分析を含む昨年度の成果をさらに拡張し,信頼形成を実現するための情報推薦環境の構築と社会実験を実施した.環境はサイバーフィジカルの特徴を持ち,サイネージに接近した被験者にプロファイルに基づき個別に情報を提供した.被験者の事後アンケートにより,信頼形成や合意形成をするための望ましい環境であるだけではなく,単純なアルゴリズムによる推薦であっても一定の有用性があることが明らかとなった.本研究を通して,オンラインの取引を現実の世界の行動分析やサービスに拡張することにより,信頼形成を実現するための支援の機会が増大することを明らかにすることができた.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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