研究課題/領域番号 |
15H02989
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三宅 弘恵 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (90401265)
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研究分担者 |
加瀬 祐子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 活断層・火山研究部門, 主任研究員 (90415654)
松島 信一 京都大学, 防災研究所, 教授 (30393565)
関口 春子 京都大学, 防災研究所, 准教授 (20357320)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 地震 / 自然現象観測・予測 / モデル化 / シミュレーション / 解析・評価 / 強震動 / 震源 / ハザード |
研究実績の概要 |
本研究では、理工学両面から関心が今なお高く、研究の蓄積が多い1995年兵庫県南部地震を主な対象として、経験的手法・運動学的手法・擬似動力学的手法・動力学的手法によるシナリオ型の地震ハザードを評価し、多様な震源像が強震動予測に与える効果を定量的に検討することを目的としている。研究成果として、観測事実を説明する想定内の地震動を生成する地震シナリオに、動力学的な知見を加味することにより、想定外の地震動のハザード評価を新たに提示し、ごく稀な強震動生成を支配する断層破壊のメカニズムとその物理を明らかにする。その際、過去の記録の再現を目的とした震源モデルと、将来の予測を意識した多数回の試行による地震動のバラツキ評価のための震源モデルの両者の構築方針について、プロトタイプを作成する。 本年度は、兵庫県南部地震の経験的手法・運動学的手法によるハザード評価を進めると共に、擬似動力学的手法・動力学的手法による震源モデル構築に向けた調査を継続した。そして、1995年兵庫県南部地震の震災の帯を複数ケース試算した。 また、想定外の極大地震動が観測された2016年熊本地震を研究対象に含め、断層モデルの設定とその不均質性、強震動パルス生成メカニズム、動力学モデルの利活用について研究を進めた。また、最終年度の地震ハザード計算に向けて、特性化震源モデルによる地震動再現性について客観的指標を用いて確認すると共に、米国南カリフォルニア地震センターの広帯域地震動プラットフォームSCEC BBPに実装した。 この他、調査および共同研究推進のための会合を通じて、フランスおよびサウジアラビアの研究者と国際的な研究基盤の構築を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、1995年兵庫県南部地震の震災の帯の再現において重要な要素である、地下構造モデルの評価を複数実施し、震源モデルと地下構造モデルの組み合わせにより生じる地震動の卓越周期と震災の帯の幅を整理した。この結果を踏まえて、兵庫県南部地震の地震ハザード評価を実施する環境が整った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、経験的手法・運動学的手法・擬似動力学的手法・動力学的手法によるシナリオ型の地震ハザード評価をとりまとめる。そして、兵庫県南部地震の震災の帯はどう変化するのか?を題材に、想定外の地震動を生成する地震シナリオの開発を行う。
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