研究課題
本研究においては、局所的激変現象を捉えるために、積雲・積乱雲の発生初期課程の内部の微細構造や詳細な運動状態を観測すること、またその外部周囲の風・温度勾配などの気象状態を総合的に把握することが、極めて重要である。しかし、積乱雲の発生場所は、必ずしも 1km 程度の精度で予測できるものでないため、長期にわたってよいデータを均一に取得し続け、なるべく多数の事例を観測・解析することが重要となる。この観点の元、今年度は昨年同様に、梅雨明けの2017年 7月初旬から夏の積乱雲が発生する可能性のある 9月中旬まで、千葉大学西千葉キャンパスにおいて、積雲・積乱雲をターゲットとした集中観測を実施した。この集中観測では、千葉大構内に設置したミリ波雲レーダ FALCON-I および、マイクロ波放射計、日射計、全天カメラ、スカイラジオメータなどの、SKYNET 千葉ステーションの機器に加えて、小型気象測定装置 POTEKA を千葉大内外に 5か所設置して観測した。また、横須賀市の防衛大学校からは Xバンド広域観測レーダでの定常観測と光学カメラ・ビデオでの積雲・積乱雲観測を、千葉市郊外からの Xバンド高速レーダでの観測を行った。さらに集中観測期間以外でも、FALCON-I での走査観測および Xバンドレーダの定常観測を続けた。その結果、FALCON-I での高時間空間分解能観測による、積雲・積乱雲の内部構造と運動の詳細と、周囲の雲の構造・運動との因果関係やダイナミクスについて、捉えることができた。これらの結果や、昨年度までの本研究で得られた結果より、降雨の開始前の積雲から積乱雲の発達過程で、数100m 以下の構造の雲塊が、極めて大きな内部乱流運動を伴い、生成されていることが明らかになった。このような雲塊の生成条件などをさらに解明することが、積乱雲生成発達のさらなる解明につながることが期待できる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 5件)
International Workshop on Wind-Related Disasters and Mitigation
巻: 1 ページ: 49,1-9
巻: 1 ページ: 48, 1-10
日本風工学会誌
巻: 43 ページ: 63-69
大気電気学会誌
巻: 11 ページ: 45-46
巻: 11 ページ: 51-52
巻: 11 ページ: 66-67
巻: 11 ページ: 81-82
巻: 11 ページ: 83-84
巻: 11 ページ: 85-86
巻: 11 ページ: 87-88
巻: 11 ページ: 89-90
巻: 11 ページ: 91-92
巻: 11 ページ: 93-94
巻: 11 ページ: 119-120