研究課題/領域番号 |
15H02993
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
澁谷 啓 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00206153)
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研究分担者 |
川口 貴之 北見工業大学, 工学部, 准教授 (20310964)
斎藤 雅彦 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40283915)
片岡 沙都紀 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50552080)
川尻 峻三 北見工業大学, 工学部, 助教 (80621680)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 水災害 / 都市型水害軽減 / 液状化発生危険度 / 3次元広域地下水流動解析 |
研究実績の概要 |
豪雨による内水氾濫,等の都市型水害軽減策の一つに,道路側溝に雨水浸透桝を設置して,地盤内への雨水浸透を促進する方法がある.浸透施設の設置にあたっては,地下水位上昇による二次的な地盤災害を誘起しないよう,適地/不適地を区別する必要がある.本研究では,地形工学・地盤工学・水文学分野の研究者が協力し,都市型水害軽減に資する工学的方法論の確立を目指している. 本研究では,まず,試行研究として,3次元地形・地盤モデルを構築した.このモデルの特徴として,一般的な地形情報(GISデータ)に加え,約432箇所の既存のボーリングデータを活用していること,雨水浸透の対象となる表層地盤の複雑な地層構成を反映したこと,の2点が挙げられる.1年目には,試行研究以降に得られた最新のボーリングデータをこのモデルに反映することにより,3次元地形・地盤モデルの高精度化ができた. さらに,水位観測孔を利用した現場注水試験により,地下水面より上部の不飽和状態にある表層部に雨水が浸透した場合の不飽和浸透特性を評価した.表層の不飽和地盤内で土壌水分および間隙水圧の両方を測定し,表層部の水分特性曲線を求め,これを浸透解析モデルに適切に反映することができた. 一方,雨水浸透ますの浸透能力を評価するため,街渠ます下からオーガーボーリングによる乱さない試料採取および室内試験を行い,その物性値を基にペットボトルを用いた事前簡易注水試験を行い,計画注水量を求めた.この計画注水量を参考に,街渠ますへの現地注水試験を実施し,表層に設置した水分計およびサクション計から表層地盤の保水性を求めた上,時間当たりの注水量が一定になった時点の平均流入量を雨水浸透ますの浸透能力とした.また,原位置透水係数の算定式およびサイズが小さい雨水浸透枡を対象とした浸透能力算定式を併用することで,雨水浸透ますの正確かつ簡便に浸透能力を求めることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載した通り,当初の研究実施計画の内容を概ね遂行している.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の大幅な変更はない.また.研究遂行上の大きな問題点もない.今後は,予定通り,地盤の液状化特性を把握し,3次元広域地下水流動解析を実施する予定である.
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