研究課題
【研究の目的】本研究の目的は声帯が精神的な影響を受けやすい副交感性の神経である反回神経の支配を受けていることに注目し、コンピュータープログラムによる音声分析を用いた様々な疾患の連続的なフォローアップシステムの構築である。【音声データの収集】うつ病およびパーキンソン病の患者音声をサンプリングした。これら音声データは、医師の診断、自記式アンケート調査(心理テスト)、血液検査などによりラベリングされている。【プロトタイププログラム作製】得られた音声データおよび市販の音声データ等を用いて、疾患固有の特徴的な信号パターン(パラメータ)を模索し、音声病態分析による病状評価・治療効果評価プログラムのプロトタイプを作成した。【携帯端末によるスクリーニングシステムの構築】プロトタイプの中で既にAndroidに移植済みの音声感情分析技術の応用によるものを、用いてスマートフォン用のアプリケーションを作成した。出来上がったアプリケーションMIMOSYS(Mind Monitoring System)の運用研究のため、7月より社会実装研究として一般に公開し運用中である。3月末時点で1500人にダウンロードされ、650人が使用中である。【様々なシチュエーションによる評価】MIMOSYSの解析エンジンを用いて、様々なシチュエーションにおける解析結果の違いについて評価した。具体的には、自由会話と読み上げ音声による違い、入力デバイスによる違いについて評価した。
2: おおむね順調に進展している
【音声データの収集】うつ病およびパーキンソン病の患者音声をサンプリングした。これら音声データは、医師の診断、自記式アンケート調査(心理テスト)、血液検査などによりラベリングされている。【プロトタイププログラム作製】得られた音声データおよび市販の音声データ等を用いて、疾患固有の特徴的な信号パターン(パラメータ)を模索し、音声病態分析による病状評価・治療効果評価プログラムのプロトタイプを作成した。プロトタイプの手法的には先行研究の感情分析に使用した音声の基本周波数と音声強度の変化あるいは音声の立ち上がりや立下りのパターンによる分類などの他、新たに基本周波数のピッチレートなどを加え、様々なアイデアに基づき複数作成した。【脳生理学的妥当性評価】音声解析プログラムによる解析結果について臨床的妥当性のみならず脳生理学的妥当性についても検討するため、光トポグラフィーによる大脳皮質の血流計測との比較を実施する予定であったが、研究環境の構築に時間を要したため、来年度以降に実施する。【携帯端末によるスクリーニングシステムの構築】プロトタイプの中で既にAndroidに移植済みの音声感情分析技術の応用によるものを、用いてスマートフォン用のアプリケーションを作成した。出来上がったアプリケーションMIMOSYS(Mind Monitoring System)の運用研究のため、7月より社会実装研究として一般に公開し運用中である。3月末時点で1500人にダウンロードされ、650人が使用中である。【様々なシチュエーションによる評価】MIMOSYSの解析エンジンを用いて、様々なシチュエーションにおける解析結果の違いについて評価した。具体的には、自由会話と読み上げ音声による違い、入力デバイスによる違いについて評価した。
【音声データの収集】うつ病およびパーキンソン病の患者音声をサンプリングを継続する。さらに、これらの疾患と鑑別が重要な認知症の患者についても音声のサンプリングを実施する。【プログラムの精度の向上】これまで作成した、プログラムの精度向上のため、パラメータの調整、プログラムの組み合わせなどを実施する。特に、うつ病・パーキンソン病・認知症の鑑別が可能なまでの精度向上を目指す。また、様々なシチュエーションで録音された解析結果の違いについての補正方法等を検討する。【脳生理学的妥当性評価】音声解析プログラムによる解析結果について臨床的妥当性のみならず脳生理学的妥当性についても検討するため、光トポグラフィーによる大脳皮質の血流計測との比較を実施する。【携帯端末によるスクリーニングシステムの構築】運用中のMIMOSYSの1年間の結果を検証する。必要により、追加の運用研究を実施する。
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Econophysics, Sociophysics & other Multidisciplinary Sciences Journal
巻: 5 ページ: 30-35
巻: 5 ページ: 11-16
月刊ナーシング
巻: 35 (9) ページ: 67-76
http://www.univ.tokyo/publication/