研究課題/領域番号 |
15H03002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳野 慎一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40508339)
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研究分担者 |
松尾 洋孝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 分子生体制御学, 講師 (00528292)
三苫 博 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (20453730)
関山 敦生 大阪大学, 薬学研究科, 寄附講座教授 (30403702)
鈴木 豪 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主任医長 (50649035)
高山 英次 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70533446)
増田 潤子 岡山大学, 自然科学研究科, 特任助教 (20424674)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 音声病態分析 / 整体情報・計測 / モニタリング / 大うつ病 / 双極性障害 / パーキンソン病 / 認知症 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】本研究の目的は声帯が精神的な影響を受けやすい副交感性の神経である反回神経の支配を受けている二とに汪目し、コンピュータープログラムによる音声分析を用いた様々な疾患の連続的なフォローアップシステムの構築である。 【音声データの収集】大うつ病、双極性障害およびパーキンソン病の患者音声をサンプリングした。これら音声データは、医師の診断、自記式アンケート調査(心理テスト)、血液 査などによりラベリングされている。 【プロトタイププログラム作製】得られた音声データおよび市販の音声データ等を用いて、疾患固有の特徴的な信号パターン(パラメータ)を模索し、音声病態分析による病状評価・治療効果評価プログラムのプロトタイプを作成した。これらのパラメータの組み合わせにより、大うつ病、双極性障害、パーキンソン病の早期診断の目途がついた。 【スクリーニングシステムの構築】携帯端末によるスクリーニングシステムMIMOSYS(Mind Monitoring System)を引き続き運用した、昨年7月より社会実装研究として一般に公開し、今年度3月末時点で3000人にダウンロードされ、1000人が継続的に使用中である。また、音声による健診システムを開発中である。 【様々なシチュエーションによる評価】MTMOSYSの解析エンジンを用いて、様々なシチュエーションにおける解析結果の違いについて評価した。具体的には、自由会話と読み上げ音声による違い、入力デバイスによる違いについて評価した。また、電話回線を使用した際の、符号化と圧縮による影響を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【音声データの収集】大うつ病、双極性障害およびパーキンソン病の患者音声をサンプリングした。これら音声データは、医師の診断、自記式アンケート調査(心理テスト)、血液 査などによりラベリングされている。認知症の音声データについては十分な数が集まらなかった。 【プロトタイププログラム作製】得られた音声データおよび市販の音声データ等を用いて、疾患固有の特徴的な信号パターン(パラメー夕)を模索し、音声病態分析による病状評価・治療効果評価プログラムのプロトタイプを作成した。プロトタイプの手法的には先行研究の感情分析に使用した音声の基本周波数と音声強度の変化あるいは音声の立ち上がりや立下りのパターンによる分類などの他、新たに基本周波数のピッチレートさらには今年度はハースト指数などを加え、様々なアイデアに基づき複数作成した。これらのパラメータの組み合わせにより、大うつ病、双極性障害、パーキンソン病の早期診断の目途がついた。 【スクリーニングシステムの構築】携帯端末によるスクリーニングシステムMIMOSYS(Mind Monitoring System)を引き続き運用した、昨年7月より社会実装研究として一般に公開し、今年度3月末時点で3000人にダウンロードされ、1000人が継続的に使用中である。また、音声による健診システムを開発中である。 【様々なシチュエーションによる評価】MTMOSYSの解析エンジンを用いて、様々なシチュエーションにおける解析結果の違いについて評価した。具体的には、自由会話と読み上げ音声による違い、入力デバイスによる違いについて評価した。また、電話回線を使用した際の、符号化と圧縮による影響を調査した。
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今後の研究の推進方策 |
【音声データの収集】引き続きうつ病、パーキンソン病の患者音声をサンプリングする。さらに、今年度十分に集められなかった、認知症の患者音声を重点的に収集する。加えて、コントロール群の音声を充実させるため、各年代、男女の健常人音声を収集する。また、日本語だけでなく外国語での検証を進める。 【プログラムの精度向上】これまで作成したプログラムの精度向上のため、パラメータの調整、組み合わせなどを実施する。特に、大うつ病、双極性障害、パーキンソン病、認知症の鑑別が可能なまでの精度向上を目指す。また、様々な環境での音声に対しロバストなプログラム作成を目指す。 【脳生理学的妥当性評価】光トポグラフィーを用いたニューロフィードバックの影響を検証する。 【スクリーニングシステムの構築】これまで運用してきたMIMOSYSの他言語版を開発する。
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