研究課題/領域番号 |
15H03003
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
蒲池 利章 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (30272694)
|
研究分担者 |
田畠 健治 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (80312263)
伊藤 栄紘 東京工業大学, 情報生命博士教育院, 特任助教 (70707918)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 酸素イメージング / 1細胞 / 酸素ダイナミクス |
研究実績の概要 |
好気性生物のミトコンドリア内膜では、電子伝達に伴いプロトンの濃度勾配が形成し、これを解消する際に生体内でのエネルギーであるATPが合成される。電子伝達系の最終電子受容体は酸素であり、電子伝達系が亢進すれば、酸素消費が高くなるといえる。褐色脂肪細胞はほ乳類にみられる脂肪組織で、主な機能は熱生産である。通常の細胞に比べ多数のミトコンドリアが含まれており、電子伝達に伴うプロトンの濃度勾配を解消し、熱生産をおこなうThermogenin (UCP1)が多く発現している(Kirichok Y. et al. Cell 2012)。(下図)この褐色脂肪細胞に、外部刺激として脱共役剤を添加し電子伝達系を亢進すれば、酸素消費が高まるといえる。また、通常の細胞に比べ、ミトコンドリアが多く含まれていることから、細胞内の酸素消費も検出しやすいといえる。 本年度は、リン光寿命イメージングマイクロスコープ(PLIM)を用いた褐色脂肪細胞の酸素濃度イメージングをおこない、脱共役剤の添加による細胞内酸素濃度変化を測定した。 リン光性化合物として水溶性の白金ポルフィリン(Platinum tetrakis-(4-carboxyphenyl)¬porphyrin, PtTCPP)を用いた。褐色脂肪細胞にPtTCPPを取り込ませ、その後ミトコンドリアの脱分極剤の添加後の、細胞内酸素濃度ダイナミクスをイメージングした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書通り、褐色脂肪細胞を用いた酸素濃度の動的変化を測定し、その時間変化を明らかにできたため。
|
今後の研究の推進方策 |
細胞の低酸素応答と酸素イメージングを行い、低酸素環境下の難治療性に間阿する知見を明らかにする。
|