研究課題
(1)In vivoでの血小板放出状態を解析するための技術の改良および解析ソフトの開発に成功した。その結果、“ずり応力”も関与するものの、“ずり応力”以外の物理法則が血小板放出、血小板産生に寄与していることを示唆するデータを取得した。本データを基に生体外での大型血小板製造用バイオリアクターの開発を進め、次年度でのバイオリアクター完成に繋がる成果を得た。(2)巨核球成熟に関与するbeta1 tubulin遺伝子座にvenusレポーターをノックインした巨核球細胞株を作製し、巨核球成熟促進化合物・血小板放出促進化合物のドラッグスクリーニングを実施して新規の薬物、物質のリスト化を達成した。
2: おおむね順調に進展している
(1)2光子顕微鏡と遺伝子改変マウスを用いた血小板産生“場”の分子機構解明(理由)GFP発現巨核球遺伝子改変マウスの骨髄内部を2光子顕微鏡で観察した結果をH27年5月にJournal of Cell Biologyに発表した(IL-1α induces thrombopoiesis through megakaryocyte rupture in response to acute platelet needs)。この発表論文で使用した解析技術の改良および解析ソフトの開発を通じて定常状態における生体内血小板放出を解析した。その結果、“ずり応力”も関与するものの、“ずり応力”以外の物理法則が血小板放出、血小板産生に寄与していることを示唆するデータを取得した。本データを元に生体外での大型血小板製造用バイオリアクターの開発を進め、次年度でのバイオリアクター完成に繋がる成果を得た。(2)in vitro培養下血小板産生に寄与するフィーダー細胞由来の因子(群)データベースの構築(理由)巨核球成熟に関与するbeta1 tubulin遺伝子座にvenusレポーターをノックインした巨核球細胞株を作製し、巨核球成熟促進化合物・血小板放出促進化合物のドラッグスクリーニングを実施して新規の薬物、物質のリスト化を達成した。本結果は、巨核球成熟・血小板放出/産生の分子機構を明らかにすることに繋がる成果である。
(1)H27年度には、①血小板産生に必須な環境条件、特に流体状況下にある巨核球細胞周囲の物理現象を数値化して捉えることに成功した。したがって、今後はこのデータを元にin vitroで再構成可能な流路、流体工学を再構築できるバイオリアクターの開発を引き続き、実施していく。(2)その血小板放出促進のために、H27年度に発見した新規薬物を活用する。(3)miRNAの発現と物理条件の変化との関連を中心に解析し、miRNA発現データの抽出を行う。(4)血小板産生に関するheterogeneityを呈する巨核球に対して、miRNAスイッチ(Cell Stem Cell, 2015)を用いた選別を試みる。この方法によって、より血小板産生の効率が上昇すると期待できる。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件、 招待講演 10件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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