研究課題/領域番号 |
15H03008
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
角南 寛 琉球大学, 医学部, 特命助教 (50374723)
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研究分担者 |
村上 明一 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00733635)
石田 昌義 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命助教 (50643251)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 再生医療 / マイクロパターン / 細胞接着 / 幹細胞抽出 / 再生医工学 / 細胞遊走 / 脂肪組織由来幹細胞 / 大量培養 |
研究実績の概要 |
脂肪幹細胞(ADSCs)は脂肪組織に含まれる細胞のうち最も速くストライプパターン上を遊走することが分かっている。ADSCsのこういった性質を利用し、再生治療用のADSCsの新しい大量生産技術の開発を行った。まず、新しい技術の核となるマイクロパターンのプロトタイプを作製した。このマイクロパターンは中央に脂肪組織を挟む正方形のエリアがあり、その中央の正方形エリアから四方にストライプパターンが伸びたものである。次に、このマイクロパターンをシャーレ上に置かれたヒト脂肪組織に被せ、脂肪組織からマイクロパターン上に遊走して出て来るADSCsを72 hタイムラプス観察した。このとき使用したヒト脂肪組織は、脂肪吸引法で得られたヒト脂肪組織をハサミによって1 mm程度に細かくしたものである。タイムラプス観察の結果、脂肪組織から遊走して出て来るADSCsは、培養12 hから現れ始め、培養72 hでも多数存在することが分かった。また、マイクロパターン上に遊走して出て来たADSCsは、ストライプパターンの溝の中にも良く進入していることが確認された。以上の研究を実施したことで、再生治療用の脂肪幹細胞(ADSCs)の新しい大量生産技術の核となるマイクロパターンのプロトタイプを完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の今年度の目標は、再生治療用の脂肪幹細胞(ADSCs)の新しい大量生産技術の核となるマイクロパターンのプロトタイプを作製することであった。このプロトタイプを作製し、これを使って良好な結果を得たことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はシンプルで使い勝手が良い幹細胞抽出技術の開発を目指している。最終的には、マイクロパターン同士のサンドイッチ構造の中心に脂肪組織を注入するだけでADSCsを大量抽出できるようにする計画である。細胞の回収は温度応答性高分子(NIPAMなど)やナノファイバー構造体を用いて行う予定である。
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