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2017 年度 実績報告書

弾性パターニングゲルを用いたヒトiPS細胞のフィーダーフリー高速増殖技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15H03023
研究機関九州大学

研究代表者

木戸秋 悟  九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (10336018)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード細胞・組織工学材料 / iPS細胞 / メカノバイオロジー / 弾性基材
研究実績の概要

iPS細胞の高速安定増殖を誘導する弾性場およびラミニン修飾条件の最適設計を目的として、細胞間接着を促進する収束性運動整流化のため同心円状弾性勾配パターニングの作製を検討する過程で、第二年次までにiPS細胞の良質なコロニーを保った安定増殖には実は20-40kPa程度の中程度の基材弾性率が最適である可能性を見出していた。そこで最終年次では、それらの弾性率条件下でのiPS細胞の幹細胞性の定量的評価を進めた。ラミニン固定した弾性率可変スチレン化ゼラチンゲル(5-130 kPa)の上で長期培養したiPS細胞に対して、未分化マーカーとしてOct3/4、SSEA-4の免疫蛍光染色強度のイメージングサイトメトリー解析を行ったところ、30-40kpaのゲル上においてOct3/4の発現が最も高くなることがわかった。さらに興味深いことに、30kPaの領域と200kPaの領域を非一様にパターニングしたゲル基材においては、iPS細胞のコロニーは30kPa領域を目指して移動し(硬→軟への移動)、そこで安定した増殖を示すことが確認された。予備的検討では5kPa領域と30kPa領域をパターニングしたゲル上においては、今後は逆に軟→硬への移動を示しつつ、やはり30kPa領域において安定増殖をしめし、そこでOct3/4の発現がもっとも高まった。これらの結果より、iPS細胞の品質保持・安定増殖には基材の至適弾性率条件が存在するとともに、iPS細胞は自発的に至適弾性領域を指向して移動する性質を有することがわかった。この知見はiPS細胞の局所的集積技術の基盤として、集積させたのちに他の種類の細胞を領域区分的な追加共培養を施すことでiPS細胞を含む異種細胞の機能的局所配置に応用可能であり、オルガノドテクノロジーへの展開も期待される。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 7件) 図書 (3件)

  • [学会発表] 幹細胞の品質保持のための培養力学場設計2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 学会等名
      第56回日本生体医工学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Negative mechanotaxis of iPS cells observed on microelastically-patterned hydrogels2017

    • 著者名/発表者名
      S.Kidoaki and K. Mizumoto
    • 学会等名
      Single-Cell Biophysics: Measurement, Modulation, and Modeling
    • 国際学会
  • [学会発表] 幹細胞を休眠させる分散固相足場材料2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 学会等名
      第54回化学関連支部合同九州大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Mechanobio-materials manipulating motility and functions of stem cells2017

    • 著者名/発表者名
      S. Kidoaki
    • 学会等名
      2017 International Symposium of Materials on Regenerative Medicine
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 微視的培養力学場設計による細胞行動・機能操作2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 学会等名
      第78回応用物理学会秋季学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] Mechanobio-Materials Manipulating Motility and Functions of Stem Cells2017

    • 著者名/発表者名
      S. Kidoaki
    • 学会等名
      第55回日本生物物理学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] 非一様弾性場における細胞接着牽引力のダイナミクスとメカノトランスデューサーの局在応答2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 学会等名
      ConBio2017
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞メカノバイオロジーを操作する微視的培養力学場設計2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 学会等名
      日本機械学会 第30回バイオエンジニアリング講演会
    • 招待講演
  • [図書] メカノバイオマテリアル” 別冊・医学のあゆみ, 「メカノバイオロジーからメカノメディシンへ」(編集:曽我部正博)2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 総ページ数
      153-157
    • 出版者
      医歯薬出版
  • [図書] 膜:細胞接着界面のソフトメカニクス設計による細胞メカノバイオロジーの操作2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 総ページ数
      42, 78-83.
    • 出版者
      膜学会
  • [図書] 生物物理:微視的弾性勾配場設計による細胞運動操作2017

    • 著者名/発表者名
      木戸秋 悟
    • 総ページ数
      57, 135-139.
    • 出版者
      生物物理学会

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公開日: 2018-12-17  

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