研究課題
平成29年度は、前年度までに確立した脂肪・骨組織発生模倣型マトリックス技術を用いて、三次元培養の材料評価実験に必要な量のマトリックスをスケールアップして調製し、間葉系幹細胞の脂肪分化及び骨分化への影響を調べた。まず、ポリ(乳酸-グリコール酸)/コラーゲン複合メッシュに間葉系幹細胞を播種し、脂肪分化誘導培地と骨分化誘導培地を用いて、分化段階に応じて3日~3週間培養を行った。分化誘導後、脱細胞化処理により多孔質構造をもつ脂肪及び骨組織発生模倣型マトリックスが得られた。マトリックスの成分を調べるために、得られた多孔質マトリックスをタイプIコラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、バーシカン、ビグリカンとデコリンの各抗体で免疫染色した。その結果、幹細胞多孔質マトリックス、脂肪分化初期多孔質マトリックス、脂肪分化後期多孔質マトリックス、骨分化初期多孔質マトリックスと骨分化後期多孔質マトリックスは異なる成分を有した。さらに、脂肪及び骨組織発生模倣型多孔質マトリックス中で間葉系幹細胞を三次元的に培養し、細胞接着、増殖及び分化を調べた。間葉系幹細胞はこれらの多孔質マトリックス材料に接着し、増殖した。脂肪滴のOil Red O染色及びリアルタイムPCR法による脂肪細胞分化マーカー遺伝子解析の結果、脂肪分化初期多孔質マトリックスは幹細胞多孔質マトリックス及び脂肪分化後期多孔質マトリックスより、間葉系幹細胞の脂肪分化を促進した。幹細胞多孔質マトリックス、骨分化初期多孔質マトリックス及び骨分化後期多孔質マトリックスも間葉系幹細胞の骨分化に対して異なる効果を示した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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