研究課題/領域番号 |
15H03032
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 恵 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10362526)
|
研究分担者 |
浦西 友樹 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00533738)
佐藤 寿彦 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40388822)
松田 哲也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00209561)
黒田 知宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (10304156)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 臓器変形 / コンピュータビジョン / スパースモデリング / 手術支援 / ロボット手術 |
研究実績の概要 |
本研究は,外科手術で扱われる形態・力学情報のスパース性に着眼した臓器変形・力学特性のスパースモデリング理論の構築と時系列画像に基づくマーカーレス局所変位計測・推定方法の開発を目的としている.平成28年度は,理論とアルゴリズムに関する (5)~(7) の研究課題に取り組んだ.
(5) 臓器力学特性のスパースモデリング理論の構築:数理モデリング分野で広く探究されているスパース表現の考え方を有限要素モデリングへと応用し,弾性体の部分観測に基づく変形推定アルゴリズムを構築した.また,生体臓器のヤング率の空間分布の推定への応用についても検討した.30%程度の変位観測に基づいて弾性体に及ぼされる外力推定が可能であること,推定された外力に基づいて観測外領域の変形を再構成可能であることを確認した. (6) 複数視点画像を用いた臓器変形推定アルゴリズムの開発:複数視点カメラ画像内のシルエット制約と弾性体の力学的制約に基づいて,各時刻における弾性体の三次元局所変位をリアルタイムに推定する理論的枠組みを構築した.さらに単視点画像のみを用いたとしても与えた変形量の 8%程度 の誤差で弾性体の変形を推定できることが示唆された. (7) 内視鏡カメラ・術具の位置・姿勢計測環境の構築: 本講座で保有する光学式モーショントラッキングシステムを用いて,手術鉗子の先端位置,及び,臓器を模した3Dプリンタモデルの表面変位を 約0.5mm の精度で計測可能な実験評価環境を構築した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本テーマにおいて重要な位置づけとなる理論の構築やアルゴリズムの実装・評価が進んでおり,計画書に挙げた研究課題についてそれぞれ一定の成果が得られている.
|
今後の研究の推進方策 |
概ね順調に研究開発が進んでいることから,今後とも計画書の研究課題に基づいて理論構築とその検証を進める.京都大学医学部附属病院の肝胆膵移植外科,呼吸器外科とも共同研究を継続しており,動物実験等も実施して評価データの収集を予定している.
|