研究実績の概要 |
本研究は、下肢機能再建のための脳刺激・末梢電気刺激・反復運動による新しいハイブリッド型リハ手法開発とともに、運動機能再建を担うシステム可塑性を解明することを目指している。慢性期脳卒中患者での下肢機能の再建を実現することができれば、車いす生活となっている多くの患者にとってのADL,QOLの著明な改善に繋がることが期待される。具体的には、慢性期脳卒中患者での下肢機能再建を実現するために、下肢一次運動野へのアノード直流刺激(tDCS)、部分免荷トレッドミル歩行、歩行周期に合わせた機能的電気刺激をハイブリッドに組み合わせた相乗効果を利用する介入方法の評価を行った。 最終年度として、これまでの研究を継続してさらに新たな患者のリクルートとこれまでの被験者のフォローを行うとともに、個々人での解析データを集団として統計学的に解析する。複数施設で並行して、同じパラダイムを用いて介入し、互換性のある機器で記録解析を行い、研究を効率的に進めた。 その結果、健常者での実験については原著論文としてまとめて国際的な査読付き雑誌に出版した(Koganemaru et al. 2018a)。慢性期脳卒中患者での実験については投稿中である。分担研究者の植木美乃(名古屋市立大学・リハビリ医学)、野嶌一平(名古屋大学・理学療法学)らと協力して新たに開始したパーキンソニズムを示す患者群に対しての介入の実験については結果をとりまとめ投稿準備中である。 新学術領域オシロロジーとの共同研究として新しい被侵襲的脳刺激法である静磁場刺激についても臨床応用の研究を進め、第一回静磁場刺激国際ワークショップ「静磁場刺激 -生理機構から臨床応用, そしてそれらを超えて-」を平成30年6月17日に開催した。
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