研究課題/領域番号 |
15H03049
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 隆文 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 室長 (50302659)
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研究分担者 |
田村 弘 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (80304038)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ブレインマシンインタフェース / 神経電極 |
研究実績の概要 |
近年のブレインマシンインタフェース(BMI)関連研究によって、生体の神経系と外部機器を接続したり、電気刺激等によってフィードバックを行うと、脳の様々なレベルで可塑的な変化が生じることが示されつつある。本研究はこれについて申請者が開発中の①超多点BMIシステム(動物の脳から計測した4000点以上の神経信号により,外部機器を制御したり,電気刺激などを行うシステム)、及び②多機能神経電極(薬液入出力機能などを備えた柔軟神経電極)という2つの技術を統合させた実験システムを構築して、神経系の可塑的変化の特性や限界を解明し、さらにこうした可塑的変化の制御・誘導を図ることを目指している。提案手法はBMIやリハビリといった医療分野における意義に留まらず、脳科学のツールとしても大きな意義を有すると考えられる。 平成27年度は、実験用統合システムを構築した上で、システムを利用して動物での可塑特性解明実験を開始する計画であった。統合システム構築後に動物での実験を開始したところ、動物の動き等により計測神経信号に混入する雑音が想定以上に実験結果に影響することがわかった。研究遂行上この影響を排除する必要があり、実験で評価しつつ実験系や実験環境の改良に取り組んだ。問題の解決を行った上で、改めて動物による可塑特性解明実験を実施した。これまでにBMI環境に接続された生体の神経系の可塑的変化に関して、特に皮質脳波のハイガンマバンドのパワーの変化等について、予備的な結果が得られつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は、実験用統合システムを構築した上で、システムを利用して動物での可塑特性解明実験を開始する計画であった。統合システム構築後に動物での実験を開始したところ、動物の動き等により計測神経信号に混入する雑音が想定以上に実験結果に影響することがわかった。研究遂行上この影響を排除する必要があり、実験で評価しつつ実験系や実験環境の改良に取り組んだ。問題の解決を行った上で、改めて動物による可塑特性解明実験を実施した。これまでにBMI環境に接続された生体の脳の皮質脳波の可塑的変化に関して、予備的な結果が得られつつある。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、統合システム構築後に動物での実験を開始したところ、動物の動き等により計測神経信号に混入する雑音が想定以上に実験結果に影響することがわかった。実験系や実験環境の改良に取り組み、問題の解決を行った上で、改めて動物による可塑特性解明実験を実施しているが、今後も、この点については注意深く推進する必要がある。
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