研究課題/領域番号 |
15H03055
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
塗木 淳夫 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (50336319)
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研究分担者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (70295244)
末吉 靖宏 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (30196688)
濱田 雅 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40708054)
高橋 恭平 熊本高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20585492)
山之上 卓 福山大学, 工学部, 教授 (00191370)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 健康・福祉工学 / 早期認知症診断 |
研究実績の概要 |
現在、わが国は国民の4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えており、2035年には3人に1人が65歳以上になることが推計されている。現在、65歳以上の高齢者のうち、4人に1人が認知症と軽度認知障害であると計算されている。今後の対応すべき社会的課題の1つは、近い将来3千万人になるとも言われるまだ認知症を発症していない高齢者の認知機能を早期に評価・把握し、効率的な予防サービスを構築することである。高齢者の早期認知症診断を目指した身体運動・体性感覚評価法についてこれまで研究開発を行ってきた。この評価法から、簡便な操作(テスト)で、対象者の認知症リスクを判定する可能性を見出した。 H27年度は、これらの背景を踏まえ、認知症リスク判定装置・ソフトウェアを設計・試作した。具体的には、身体運動・体性感覚評価法システムに用いるモータ制御や力計測システムをリアルタイムOSを用いて実現した。このシステムは、筋電図、脳波、運動誘発電位などの神経生理学的指標も同時計測できるシステムベースにもなりうるので、本年度の成果は2年目以降の発展に大きく寄与するものである。また、ユビキタスを目指したシステム作成も同時に進めており、組み込み式ポータブルマイコンの制御および生体計測のシステムを構築した。両システムともに、拡張性に富むシステムであるために、臨床現場に生かすことの出来るシステム基盤となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実験当初は、研究室レベルの精度の高いシステム構築において、運動機能の評価システムと視線探索課題を考えていた。そして、次年度には、ユビキタスを考慮したシステム構築へ発展する事と計画していた。H27年度は、28年度に当初行う予定であったユビキタスを考慮した組み込み式ポータブルマイコンの制御および生体計測のシステム開発に取り組み基本ベースとなるシステムを構築することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度に構築したシステムを用いて、筋電図、脳波、運動誘発電位などの神経生理学的指標も同時計測できるようなシステムグレードアップを試みる。さらに、実験の進み具合によっては、高齢者の早期認知診断を目指した身体運動・体性感覚評価法のコントロールデータとして健常成人20名程度のデータ取得を行う。発展的には、健常成人と軽度認知症患者と異なる特徴を見出し、研究分担者や海外共同研究者と神経生理学的な議論を進めながら、必要な神経生理学的な再計測(誘発脳電位や経頭蓋磁気刺激法(TMS))も行っていく。
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