研究課題
現在、わが国は国民の4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えており、2035年には3人に1人が65歳以上になることが推測されている。今後の対応すべき社会的課題の1つは、近い将来3千万人になるとも言われるまだ認知症を発症していない高齢者の認知機能を早期に評価・把握し、効率的な予防サービスを構築することである。高齢者の早期認知症診断を目指した身体運動・体性感覚評価法の開発を進めることは重要であり、この評価法から簡便な操作(テスト)で、対象者の認知症リスクを判定するシステムが求められている。本研究は、認知症リスク判定装置・ソフトウェアを設計・試作し、実証実験まで行いたい。 (本研究の具体的な目的) 1)早期認知症判断を目指した、ハードウェア・ソフトウェアの設計・試作 2)臨床現場に生かす事の出来る早期認知診断システムの実証実験を通した改良である。平成30年度は、前年度までに作成したシステムをさらに改良した。このシステムによって、能動・受動的運動制御の特性について計測できた。能動・受動的運動制御は、自らの意思で力を制御する能動的運動制御、受けた力に反発した筋出力を行う受動的力制御などに分類することができる。能動・受動的運動制御における運動調節の特性や、運動調節時の脳活動(運動誘発電位)を確認することにより、効率の良いリハビリ手法の提案を行うことができると考えられる。能動・受動的運動制御の難易度の違いや能動・受動的運動制御において調整可能な周波数特性を明らかにすることが出来た。また、視線検出システムを用いて、正常者並びに神経疾患患者のサッケード特徴についても計測することが出来た。早期の認知症リスク判定装置にサッケードなどの特徴抽出を行うための基礎データを得ることが出来た。本研究に関する研究成果について、国際・国内の学会発表と論文発表を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
Journal of Neurophysiology
巻: 121 ページ: 1398-1409
10.1152/jn.00396.2018
2018 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics
巻: 1 ページ: 3886-3888
10.1109/SMC.2018.00660
http://www.ibe.kagoshima-u.ac.jp/~nurulab/research.html