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2017 年度 実績報告書

粗鬆骨でもゆるまない内固定材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15H03056
研究機関茨城県立医療大学

研究代表者

六崎 裕高  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50550927)

研究分担者 原 友紀  筑波大学, 医学医療系, 講師 (30431688)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード線維芽細胞増殖因子 / 骨粗鬆症 / ハイドロキシアパタイト / 骨形成
研究実績の概要

ウィスターラット92匹を使用しての卵巣摘出手術後(OVX)58匹と卵巣摘出しない同様手術(Sham)34匹を作成した。大腿骨片側には未処理チタンワイヤーを挿入し、対側にはFGF のないApチタンワイヤー、あるいは、Ap-FGFチタンワイヤーを挿入し、2週間後に安楽死させた。OVX-チタン群54検体、OVX-Apチタン群27検体、OVX-Ap-FGFチタン群28検体、Sham-チタン群30検体、Sham-Apチタン群14検体、Sham-Ap-FGFチタン群14検体を得ることができた。
日本白色家兎オスの脛骨近位に経皮的にAp-FGFチタンピン、Apチタンピン、チタンピンを挿入し4週で抜去し組織評価で炎症を認めない52羽67肢に対して、スクリュー抜去後の骨組織でスクリューの骨被覆率を計測した。3群を更にFGF (-): Ti+Ap、及びFGF (+): Ap-FGFの2群にまとめ、t検定および不良発生確率や最低保障値を計算可能なWeibull分析を行った。骨被覆率の平均値はFGF(+)でFGF(-)より有意に高かった。また、FGF(+)群の骨被覆率は0.79~0.94の狭い範囲に集中するのに対して、FGF(-)群の骨被覆率は0.64~0.98で低骨被覆率側にすそ野を引く分布であり、骨被覆の不良発生確率が高いことを示した。Ap-FGFコーティングはスクリュー周囲の骨形成不良リスクを大幅に低減できる事が示された。
Ap-FGFチタンスクリューの安全性確認を行うために、カニクイザルを用いて、椎弓根にスクリューを埋植した。今年度はコントロール群を実施し、術後12週で安楽死させ、脊椎・脊髄検体を採取、CT評価の後、ホルマリン固定を行い、組織標本を作製中である。Ap-FGFチタンスクリューに関しては、コーティング再実験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画通り、平成29年度までにラットの全手術を終了し、以前行ったウサギ実験の骨組織標本を用いて、骨形成不良出現率を求める新たな評価方法を開発できた。また、コントロール群のサル実験を合計2頭行うことができた。しかし、Ap-FGFチタンスクリューのコーティング条件に関しては、バイオアッセイでの測定結果が不十分であることが判明したため、コーティングのどの工程が不適切であるのか評価を行うための再実験を行った。そのため、Ap-FGFチタンコーティングスクリューのサルへの埋植実験は、次年度に繰り越した。よって、当初の計画より研究は3か月程度遅れている。

今後の研究の推進方策

4月にAp-FGFチタンスクリューのコーティング条件の検討を終了する。Ap-FGFチタンスクリューの安全性を確認するため、6月までにカニクイサルの腰椎にAp-FGFチタンスクリュー挿入手術を終了する。その後、術後3カ月に、スクリューの力学強度、スクリュー周囲の骨・軟部組織のCT・MRI・組織評価を行う。また、昨年度手術が終了しているコントロール群においても、同様の評価を行う。これらの残りの試験を平成30年度中に完了する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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